2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

作者:小杉健治|集英社文庫 一貫して裁判シーンが舞台で、事実が明らかになるミステリー。 社長夫人の奈緒子は、夫殺害の容疑で逮捕され、罪を認め、裁判にかけられる。 本人が自供しているのだから、裁判はすぐに結審するものと思われた。 だが、直前にな…

都心の静謐

今の組織に移ってから、土日は完全に休暇に充てることにした。 それまでは土曜日に休んだことはなく、日曜日も出勤が多かった。 で、平日を休暇にして、2日働いて休み、3日働いて休みというペースだった。 そんな生活を続けていると、体が慣れてしまい、連休…

傀儡

作者:坂東眞砂子|集英社 鎌倉時代の鎌倉を舞台に、日本人の死生観と宗教観をテーマにした歴史小説。 傀儡女の叉香は、招かれた地頭の屋敷で「鶴岡公暁」と名乗る武者と出会う。 鶴岡公暁の正体は、宝治合戦で滅ぼされた三浦一族の生き残りの三浦家村だった…

プロ野球乱闘読本

オークラ出版 最近はあまり見かけなくなったが、「珍プレー特集」で乱闘シーンが流れると盛り上がる。 この本は、そんなプロ野球のメジャーな乱闘事件を取り上げた一冊。 当事者のインタビューが載っているが、本で取り上げるには微妙な人たちだ。 清原にバ…

遺体損壊

江東区で23歳の女性が行方不明になり、同じフロアの男性が殺人の容疑で逮捕された。 捕まる前のインタビューの「ヒヒ」とか「イヒ」という痙攣するような笑い方が不気味だった。 ただ、死体は見つかっておらず、バラバラにして、トイレに流すなどして処分し…

オークスと大相撲

昨日はオークスで、正直どの馬が来るのか、予想をしてもわからなかった。 ただ、赤枠と黄枠の枠連は厚めに買うことは決めていた。 中国の国旗が頭に浮かんだから?いや何となくこの色で決まりそうに思いこんだのだ。 結果は橙色のトールポピーが1着。赤と黄…

八月の舟

作者:樋口有介|文春文庫 60年代の北関東の小さな町を舞台にした青春小説。 高校生の「僕」は、その年の夏休みに晶子という魅力的な少女と出会う。 悪友の田中君と晶子と3人で深夜のドライブに出かけ、ビールを飲み、酔っぱらう。 帰り道、田中君の運転する…

雨恋

作者:松尾由美|新潮文庫 30歳の会社員の沼野渉は彼女に振られ、隣人とのトラブルもあり、新居を探していた。 そんなとき、叔母がアメリカに長期出張することになり、叔母のマンションに住むことになった。 2匹の猫と快適なマンションで、生活をスタートし…

不愉快に思うこと

普段、テレビを見るのは朝の出勤前と夜10時以降の報道番組くらいだ。 情報はWEBで仕入れることが多いが、ニュースはテレビを見る方が楽でいい。 それにしてもサラ金とパチンコのCMが増えたのは、おかしいと思う。 昔、と言っても10年くらい前だけど、自分が…

クラリネット症候群

作者:乾くるみ|徳間文庫 「マリオネット症候群」と「クラリネット症候群」の2つの中編が収録されている。 「マリオネット症候群」は自分の体を乗っ取られてしまう女子高生の話。 ある日目覚めると、自分の体に誰かが入ってきていて、自分は傍観するしかな…

笑えるメタル

Korpiklaani(コルピクラーニ)はフィンランドのトラッド/フォーク・メタルバンド。 PVを見て笑ってしまった。 掘立小屋からいきなり薄ら禿がバイオリンを弾きながら登場するシーン。弾き方も変だ。 斧を持って、ガニ股で演奏するボーカル。ツルっぱげのギタ…

日本人なら知っておきたい江戸の庶民の朝から晩まで

編:歴史の謎を探る会|河出書房新書 最近、浮世絵などをはじめ、江戸時代の文化に触れることが面白いと感じている。 あくまで表面的なもので、深く掘り下げようとは考えていない。そういう意味ではお手軽な本だ。 どんなモノを食べ、どんな服を着て、どんな…

女奴隷は夢を見ない

作者:大石圭|光文社文庫 女子大生の川上春菜は、父の使いで訪れた横浜のビルで、いきなり拘束される。 「あなたの両親は、あなたを売ることにした」と売買契約書を突きつけられ、そのまま監禁される。 事業に行き詰った両親は、生活のため、長女の春菜を売…

あちん

作者:雀野日名子|メディアファクトリー 第2回「幽」怪談文学賞の短編部門の大賞受賞作。 北陸のF市の市役所に勤める「私」の周りで起きる5つの怪談を収録している。 表題作の「あちん」は市役所のそばに生える藻草を踏んだ「私」に訪れる怪異。 戦時の…

枕女優

作者:新堂冬樹|河出書房新社 女優を夢見る少女が、芸能界に入り、のし上がっていく話。 鈴木弘子は、いくつものオーディションに落ち、高3の時にやっと弱小プロダクションへの所属が決まる。 「鳥居水香」という芸名になり、最初に指示されたのは整形する…

闇の音

作者:明野照葉|ハルキ・ホラー文庫 吉川真昼は音に非常に敏感で、一般社会になじめず、自宅で翻訳をし、生計を立てていた。 自宅のマンションは防音が行き届いているが、それでも上の階に住む男性が気になっていた。 生活音はまったく聞こえず、手を洗う音…

クレイジーヘヴン

作者:垣根涼介|幻冬舎文庫 東京から流れ、北関東の町の旅行会社に勤め始めた27歳の恭一。 ある日、車上荒らしに会い、現金・免許証・カードを盗まれてしまう。 警察があてにできないと思った恭一は、単独で犯人を捜し出す。 犯人グループの部屋に忍び込み…

寒さと胃の痛み

5月も半ばというのに、今週は週明けからとても寒い。 大阪と10度くらいの気温差があるのではないか? そのせいか、体調を少し崩してしまった。胃が痛い。 ガスター10も効かないし、ずーんと重い痛みが時々発生する。 2か月ほど前も、同じような状況が1週間ほ…

奇想の江戸挿絵

作者:辻惟雄|集英社新書 江戸時代後期の黄表紙や読本に描かれた挿絵に漫画的な吹き出しがあるのは驚かされる。 また、絵のタッチもホワイトトーンを使ったかのような高度な処理が施されている絵もあった。 日常に現れる「異界」の斬新な構図が何点か紹介さ…

田舎に道路は必要か

和歌山の議員の二階が、地元の土建屋を引連れて「道路は必要だ」という映像をよく見る。 高齢過疎化の進むド田舎に、赤字を垂れ流すだけの道路に需要などあるのだろうか? それでも必要というなら、そこの住民の税金、医療費を上げ、年金を減らすべきだろう…

少年たちのおだやかな日々

作者:多島斗志之|双葉文庫 中2の少年たちのどす黒い体験を描いたサイコホラーチックな短編集。 「言いません」は友人の母親の不倫現場を目撃した少年がその母親に付きまとわれる話。 「ガラス」は幼い頃兄を殺害したという女子生徒をかかわり合いになる恐…

とげ

作者:山本甲士|小学館文庫 大阪南部の南海市役所の市民相談室で働く倉永がトラブルに巻き込まれる話。 市民相談室には苦情を寄せる住民が多く、倉永は対応に追われていた。 公園のフェンスが破れ、子供がけがをしたとか、池にワニがいるとか。 市民の窓口…

誰もいないプール

休みの日の昼間はプールで泳いで、リラックスしている。 ふだんから客は少ないが、今日は自分以外に誰もいなかった。 監視員が二人見守る中、自分だけが泳いでいる。贅沢な過ごし方だ。 こういうとき、千代田区に住んで、良かったと思う。 千代田区には他に…

歩きながら携帯を見ている人

夜、家に帰る時に九段の坂を自転車を押しながら登る。 坂を下りてくる人にすれ違うが、携帯を見ながら歩いている人が増えた。 暗い中で、携帯の画面に集中しているので、坂を登ってくる自分に直前まで気付かない。 ふらふらと斜めに歩いてきて、こちらにぶつ…

地震

昨晩ちょうど寝る前、1時から1時半の間に地震が発生した。 一度だけでなく、二回ほど揺れた。そのうちの一回は時間が長かった。 いずれ来るといわれている関東の直下型地震が、現実となる日は近いのかもしれない。 不安を感じても、こんな時間帯ではどうしよ…

岩佐又兵衛 浮世絵を作った男の謎

著者:辻惟雄|文春新書 岩佐又兵衛は江戸時代初期に活躍した絵師で、最近知られるようになった。 荒木村重の遺児で、母親を織田信長に処刑されたという劇的な経歴を持つ。 京都で成長したが、その経歴は謎で、表舞台に出てくるのは、越前藩に移ってからにな…

東京散歩

連休の最終日にようやく晴れ間が出て、初夏の陽気となった。 どこかに行こうと思った。そう思ったのは昼前で、近場に出動することになった。 12時半に家を出て、九段の坂を下り、飯田橋を越え、神楽坂を登る。 特にこれという見どころはないけど、なぜか人…

幕末動乱の男たち(上・下)

作者:海音寺潮五郎|新潮文庫 これは今から40年ほど前に発表され、幕末に活躍した人たちを史伝形式で綴った作品。 既知のことが多くても、文体が古くても、歴史小説のパイオニアとして読み応えがある。 上下巻で12人の人物が描かれている。 寺田屋騒動で命…

眠りは癒しなのか

昔から眠ろうと思えば、いくらでも寝ることができた。 2晩徹夜した後に、18時間連続で寝たこともある。 年をとると睡眠時間は減るというが、自分には当てはまらないようだ。 今でも、毎朝の起床時間に目は覚めるのだが、休みの日は昼前まで寝てしまう。 時…

珍世界紀行 ヨーロッパ編

作者:都築響一|筑摩書房 ヨーロッパにある少し変わった博物館や蝋人形館を紹介した本。 6千円と少し高いが、フルカラーで豊富な写真を掲載している。 拷問の様子を再現した蝋人形館は各地にあり、気持ち悪いが、何度も見たくなる。 世界のロックスターや、…