2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年 今年面白かった本

ちょっと本を読むペースが落ちたのは、仕事が忙しくなったのと、目の調子がよくないからかな。 あまりそそられるものもなく、単行本もあまり買わなかった。 文庫本はそれなりに読んだけど、傑作は少なかった。 単行本 烈風のレクイエム 沈黙の町で 文庫本 虹…

東京ロンダリング

作者:原田ひ香|集英社文庫 自らの浮気で、離婚をしたりさ子は、不動産屋に職を紹介される。 殺人や死亡事故の起きた事故物件の部屋に1か月住むという仕事。 りさ子が住むことで、事故物件がロンダリングされる。 1か月経つと、りさ子は次の部屋に移り住む…

虹の岬の喫茶店

作者:森沢明夫|幻冬舎文庫 妻を亡くし、幼い娘を抱えた陶芸家は、車で虹を追いかけ、岬の喫茶店を訪れる。 店の雰囲気に癒され、再び生きる希望を取り戻す。 老婦人が切り盛りするその店は、片足を失くした犬が店までエスコートしてくれる。 店の裏にはち…

ゲイボーイ

楽しんごとか、美川憲一がトラブルに巻き込まれている。 最近はマツコとか徳光の親戚のオカマとか、テレビの中でのさばっている。 現実の社会ではああいうゲテモノは存在しない。 と思っていたが、10年以上前に大阪で働いているときにいた。 完璧なオカマが…

橘花抄

作者:葉室麟|新潮文庫 文庫本裏書 両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢をふるう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。 前藩主の没後、粛正が始まった。 減封、閉門、配流。 立花一族は従容として苦…

血の轍

作者:相場英雄|幻冬舎文庫 新宿・戸山公園で、元刑事の首つり死体が見つかった。 現場に駆け付けた捜査一課の兎沢は、殺人だと判断し、捜査を始める。 元刑事は、警察内部の重大犯罪を告発する調査を行っていたことが判明する。 彼の遺した資料が山形にあ…

早雲の軍配者(上・下)

作者:富樫倫太郎|中公文庫 北条早雲に才能を見出された少年・風間小太郎は、早雲から教育を受ける。 北条家の将来を担う能力を感じた早雲は、小太郎を足利学校に送り込む。 道中、駿河の山本勘助一行と出会うが、泥棒村に入り込み、危機に陥る。 勘助の下…

恋雨

作者:柴田よしき|文春文庫 モデルから俳優になろうとしている若手男優と、マネジャーのラブストーリー&ミステリ。 京都の大学を卒業し、OLをしていた茉莉緒は、取引先の男性と不倫関係となり、退職を余儀なくされる。 バイトで映画のエキストラに参加した…

賞の柩

作者:箒木蓬生|集英社文庫 イギリス医学界の重鎮、アーサー・ヒルがノーベル賞を受賞した。 知らせを聞いた青年医師の津田は、若くして白血病で死亡した恩師の清原を思い出す。 清原はアーサーと同じ分野の研究をしており、生きていればノーベル賞の候補に…

疾風ロンド

作者:東野圭吾|実業之日本社文庫 感染症を研究する大学施設から、強力な生物兵器が盗み出された。 犯人は雪山に埋め、研究所を脅迫する。 ところが交通事故に遭い、犯人は死亡する。 脅迫状を手掛かりに、雪山を特定し、研究員の栗林は、中学生の息子秀人…

感染遊戯

作者:誉田哲也|光文社文庫 ヒット作「姫川玲子」シリーズの5作目。 本作は今までの脇役の刑事が事件を追う形式をとっている。 リタイヤしたキャリア官僚が連続して殺害される。 被害者は、血友病をばら撒くきっかけを作った厚生労働省の官僚。 セクハラを…

ロマンス

作者:柳広司|文春文庫 文庫本裏書 昭和初期の華族を描いたミステリ。 ロシア人の血を引く白皙の子爵・麻倉清彬は、友人の将校の多岐川嘉人に呼び出される。 上野のカフェーに赴くと、見知らぬ男が死体となっていた。 嘉人の窮地を救った清彬だが、戦争に突…

キネマの神様

作者:原田マハ|文春文庫 39歳独身の歩は、シネコンを作るプロジェクトを放り出し、会社を辞めた。 社内の誹謗中傷に耐えられなくなり、次の仕事の当てもなく、無職に。 映画好きの父は心臓の手術で入院している。 映画・ギャンブルに目がなく、借金を作り…

蜩ノ記

作者:葉室麟|祥伝社文庫 第146回直木賞受賞作。 豊後羽根藩の檀野庄三郎は、不注意から城内で刃傷沙汰を引き起こしてしまう。 本来なら切腹のところ、家老からある条件を持ちかけられる。 それは、向山村に幽閉中の元奉行戸田秋谷の動向を探るというものだ…

灰色の虹

作者:貫井徳郎|新潮文庫 身に覚えのない上司殺害の疑いを受け、逮捕された雅史。 刑事の執拗な取り調べで、やっていないが自白してしまう。 裁判で無罪になると考えていたが、国選弁護士にやる気は見られない。 検事は警察の調書をもとに、舌鋒鋭く雅史を…

石の繭 警視庁殺人分析班

作者:麻見和史|講談社文庫 東京・新橋の廃ビルで、モルタルで石膏のように固められた死体が見つかった。 被害者の身元が判明しないうちに、犯人と思われる人物から捜査本部に電話が入る。 電話を受けた女刑事の如月塔子は、事件の背景を探るため、メッセン…

交渉人・籠城

作者:五十嵐貴久|幻冬舎文庫 喫茶店の店主が突然、客を監禁し、籠城する事件が発生。 交渉人の刑事麻衣子は、上司と共に説得に駆けつける。 だが、上司は負傷し、人質として囚われてしまう。 喫茶店の店主は、かつて過去に娘を未成年の少年に殺害されてい…

ドS刑事

作者:七尾与史|幻冬舎文庫 文庫本裏書 静岡県浜松市で起こった残虐な連続放火殺人事件。 被害者は元ヤクザ、詐欺師、OLなど様々で、何の手がかりもない。 しかし「ドS」な美人刑事・黒井マヤは現場で「死体に萌える」ばかりでやる気ゼロ。 振り回されっぱ…

セオイ

作者:丈武琉|早川文庫 ちょっと不思議な感覚に陥るミステリー。 西新宿で、困った人たちを助ける稼業をしている鏡山と助手の美優。 彼らは依頼人のオーダーで、臨死体験を引き受けていた。 どうにもさっちも行かなくなって、電車に飛び込むしかない状況。 …

刑事の骨

作者:永瀬隼介|文春文庫 1993年に起きた幼児連続殺人事件。 現場の指揮を執っていた不破は犯人からの電話を受け、致命的なミスをする。 犯人を追いつめた田村も犯人を取り逃がしてしまう。 不破は出世レースから外され、17年後、スーパーで万引きの取り締…

原発ホワイトアウト

作者:若杉冽|講談社 現役キャリア官僚の告発ノベルというオビで、10万部を超えているとのこと。 内部告発かと思い、読んでみた。 電力事業でプールした巨額な金を使い、政治をコントロールする電力会社。 それとツーカーの経産省官僚。このあたりが内部告…

雀蜂

作者:貴志祐介|角川ホラー文庫 人気作家の安斎は、不気味な羽音で目が覚める。 11月下旬の長野の山荘。前日は妻とワインを飲んで過ごしたはずだった。 羽音は雀蜂で、過去に刺された経験のある安斎は、生死にかかわる問題だった。 だが、寝室を出ると、…

いつか夜の終わりに

作者:高田侑|双葉文庫 ちょっと不思議な雰囲気の短編集。 「てのひらたけ」は山登りを好む青年が、きのこを口にすることで、異世界に陥る話。 時空を超えた結末は、ちょっと残酷だが、美しい。 「あの坂道をのぼれば」は、妻子を捨て、スナックの女に走っ…

業政駆ける

作者:火坂雅志|角川文庫 戦国時代、上毛の豪族の長野業政の活躍を描いた作品。 生きている間は、武田信玄の侵入の隙を与えなかった名将だ。 koeiの信長の野望でも、あまり活躍しないけど能力は高く設定されている。 業政は、娘たちを近辺の豪族に嫁がせ、…

限界集落株式会社

作者:黒野伸一|小学館文庫 エリートサラリーマンの多岐川優は、退職し、ステップアップのために休暇を取った。 亡くなった祖父の家を整理するために、田舎に帰ることにした。 農地の整理や、土地の権利を処分するのが目的だった。 ところが、過疎の町に訪…

民宿雪国

作者:樋口毅宏|祥伝社文庫 国民的画家の丹生雄武郎が97歳で亡くなった。 寂れた民宿の経営者だったが、老人になってから、ブレイクする。 だが、その素顔は、宿に訪れる者を殺害する犯罪者だった。 冒頭に殺人の様子が描かれ、その後は横井英樹や麻原彰光…

消える

昨日もそうだが、ここに書いた記述を保存したのに、記事が消える。 「フリーター家を買う」という本の内容を書いたのだが、保存されていない。 本の内容はまあ、そこそこで、フリーターが奮起するはなしだ。 闇金ウシジマくんのフリーターくん編の方がリアリ…

陸軍人事

作者:藤井非三四|光人社NF文庫 軍整備が形を成し、敗戦までの60年間、日本の軍部はいびつな人事で進んだ。 海軍は薩摩、陸軍は長州という風潮があったが、日露戦争後、陸軍は解消に向かう。 ところが大佐級の連中が、上の人事を動かそうと、「一夕会」を結…

もぐら 凱(上・下)

作者:矢月秀作|中公文庫 シリーズ7作目で、おそらく最終作。 刑事を辞め、モグラの異名をとるトラブルシューターの影野の活躍を描いている。 影野は警察を辞めた後も、モールという非正規部署にアドバイザーとして在籍。 警察では手出しできない政治家や、…

この命、義に捧ぐ

作者:門田隆将|角川文庫 北満の司令官だった根本中将が、戦後、台湾に渡り、国民党の独立に協力する話。 そんな話、聞いたことないぞと思いつつ読んだが、戦闘シーンはそこそこ。 ただ、台湾でもその存在はほとんど知られていない。 作者は根本の存在を記…