2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

平成猿蟹合戦図

作者:吉田修一|朝日文庫 長崎五島列島出身の美月は、赤ん坊を連れ、新宿歌舞伎町にやってくる。 夫の朋生が、ホストとして働いでいるので会いに来た。 ところが、朋生はホストを辞めていて、行方が分からない。 途方に暮れているところ、韓国パブのバーテ…

エンドロール

作者:鏑木蓮|ハヤカワ文庫 文庫本裏書 映画監督になる夢破れ、故郷を飛び出した青年・門川は、アパート管理のバイトをしていた。 ある日、住人の独居老人・帯屋が亡くなっているのを見つけ、遺品の8ミリフィルムを発見する。 映っていたのは重いリヤカーを…

スマホのCM

自分はガラケーで十分なので、スマホは持っていない。 WEBのコンテンツを作るのが仕事なのだが、作ったものは会社で確認している。 歩きながらスマホを見ている人は邪魔で仕方がないし、電車の中でみんなスマホを見ているのは何か変だと思う。 多くの人はゲ…

春を背負って

作者:笹本稜平|文春文庫 技術者として挫折を覚えた長嶺亨は、父の山小屋の経営を引き継ぐことになった。 亡き父の後輩で、ホームレスのゴロさんが転がり込んでくる。 二人で山小屋を切り盛りしていると、自殺志願の女性も仲間に加わる。 亨の山小屋にまつ…

ただのスポークスマンだろう

政治家が2世、3世など世襲なのは、小選挙区制だったら仕方がないのかもしれない。 それなら、恥ずかしくない学歴があるのが当然だと思う。 総理の安倍は、ネットでは人気が高いようだが、自分は学歴の点で信用していない。 彼が叩き上げの政治家なら、人物本…

翔る合戦屋

作者:北沢秋|双葉文庫 「哄う合戦屋」「奔る合戦屋」に続く3作目で完結作。 武田信玄と対決する信濃衆は守護の小笠原長時を大将にして、対峙する。 だが、信玄の調略により、内部を崩され、あっけなく敗れ去る。 主人公の石堂一徹は、主君の遠藤吉弘を逃し…

クリーピー

作者:前川裕|光文社文庫 大学で犯罪心理学を教える高倉は、妻と二人で暮らしている。 帰宅途中に警官から職務質問を受ける。 隣人の西山から、女子中学生が襲われた事件が発生したことを聞く。 その後高倉は、高校の同窓会で刑事になった野上と出会う。 野…

生存者ゼロ

作者:安生正|宝島文庫 アフリカで感染症の研究をする富樫は、妻子を新種のウイルスで死亡させてしまう。 その後、北海道根室半島にある石油掘削施設で職員全員が無残な死体で発見される。 調査に赴いた陸上自衛隊の廻田は、原因を発見できず、帰京する。 …

川あかり

作者:葉室麟|双葉文庫 上野藩一番の臆病者といわれた伊東七十郎は増水した川を眺めていた。 彼は藩の内紛で、政敵を暗殺するよう言い含められていた。 成功すれば、片思いの美祢という重臣の娘をもらえるという話になっていた。 七十郎は、川宿で、怪しげ…

モンスターU子の嘘

作者:越智月子|小学館文庫 文庫本裏書 昭和63年。 ゲーム機賭博で数億円の荒稼ぎをしていた赤坂の喫茶店経営・石山詩子が、常習賭博の現行犯で逮捕された。 フリーライターの蒲田は拘置所で詩子と面会する。 旧友で亡くなった刑事の寺本から「あの人のこと…

警官の条件

作者:佐々木譲|新潮文庫 親子3代で警官を務めた一族を描いた大河ドラマ「警官の血」の続編。 3代目の和也は、汚職刑事の加賀谷を退職に追い込んだ。 ここまでは、前作の内容で、和也は一つのセクションの管理職として登場する。 癖はあったが、シンパの多…

信玄の軍配者(上・下)

作者:富樫倫太郎|中公文庫 軍配者シリーズの第2弾。 本作は山本勘助が、武田信玄に仕え、信州の攻略に乗り出す話。 勘助が、今川家の人質になっている信玄の父の信虎と出会うところから話がスタート。 信虎の陰謀に乗ったふうを装い、武田家に仕官すること…

麒麟の翼

作者:東野圭吾|講談社文庫 刑事・加賀恭一郎シリーズ。 東京日本橋の路上で刺殺死体が見つかる。被害者はどこかで刺され、歩いて息絶えた。 容疑者はすぐに見つかるが、直後に交通事故に遭い、瀕死の状態。 容疑者は被害者の会社から派遣切りにあっており…

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)

作者:増田俊也|新潮文庫 単行本で出た時から、読みたかった作品。 柔道界において、「木村の前に木村無し、木村の後に木村無し」といわれた男。 その強者が、プロレスの曙光期の王者力道山になぜ負けたのか。 戦前の柔道界は、現在主流となっている講道館…

ハルさん

作者:藤野恵美|創元推理文庫 人形作家のハルさんは、妻を亡くし、幼い娘のふうちゃんと生活をしている。 ふうちゃんは幼稚園で、小学校で、中学校で、高校で様々なトラブルや問題に直面する。 ハルさんはふうちゃんに寄り添い、解決に手助けをする。 ふう…