2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

人生教習所(上・下)

作者:垣根涼介|中公文庫 新聞に「人生再生セミナー 小笠原塾」という広告が掲載される。 このセミナーを受講し、最終合格をすれば、就職のあっせんをしてくれるという。 東京大学に入学したものの、目的が見いだせず、休学中の浅川太郎。 ヤクザの若頭だっ…

月と蟹

作者:道尾秀介|文春文庫 直木賞受賞作。 父の死後、母とともに海辺の町で、祖父と同居を始めた慎一。 転校生ということで、いじめにあうが、春也と親友になる。 ヤドカリを見つけ、二人は秘密めいた儀式を考え出す。 互いに望みを伝え合うが、慎一の望みが…

阪神の連敗を見ていると

週末から、阪神の試合をテレビで見ているが、悪いところばかり目立つ。 連敗しているということもあるのだろうが、まず打線が悪い。 6番バッターがなかなか定まらない。今となっては、ブラゼルを解雇したことが悔やまれる。 今成、坂、新井(弟)、俊介、大…

明日の風

作者:梁石日|光文社文庫 文庫本裏書 第二次世界大戦中の大阪、在日コリアン二世の少年は、暴力の権化のような父、働き者の母、やさしく内向的な姉、小さな妹に囲まれて育つ。 疎開先の村でも、空襲で焼け跡となった街でも、復興していく繁華街でも、その激…

過去を盗んだ男

作者:翔田寛|幻冬舎文庫 松平定信の改革が頓挫した江戸には、無宿人を排除するためにできた人工島があった。 浪人の倫太郎は、仲間を募り、身分を偽り、その島に潜入する。 狙いは定信が改革で風俗業から没収した埋蔵金。 牢役人を買収し、井戸掘りを志願…

民王

作者:池井戸潤|文春文庫 総理大臣とその息子の人格が入れ替わる話。 ちょっと前の作品なので、総理のモデルは麻生太郎。 息子は国会答弁で、とんでもない漢字の読み間違いをする。 親父は息子の就職活動の面接で、面接官に啖呵を切る。 人格の入れ替わりは…

家族

作者:小杉健一|双葉文庫 ホームレスが民家に忍び込み、認知症の老人を殺害した。 ホームレスが逮捕されるまでは、老人の長男が疑われていた。 テレビカメラの前で悪態をつく姿は、疑われるのに十分だった。この作品は、この事件を裁く、裁判員制度で選ばれ…

リターン

作者:五十嵐貴久|幻冬舎 ホラーの傑作「リカ」の続編。 10年前、本間というサラリーマンが、リカという女性に付きまとわれ、失踪した。 本間はリカに生きたまま目をえぐられ、鼻、耳、舌を切断されていた。 その惨状を目撃した刑事は発狂し、「リカ」は終…

忌談

作者:福澤徹三|角川ホラー文庫 霊的、あるいはサイコパスな要素が混合したホラー短編集。 東京難民は映画化されるし、最近の長編は充実している。 あえてこの作品を書いたのは、契約でもあったのかな? そこそこ面白いのだけど、この作家にしてはイマイチ…

東西のマナー

東京に出てきて、10年以上になる。 最初は自転車で通勤していたが、坂が多いので、今は電車。 といっても、3駅ほどの移動なので、座りたいとは思わない。 電車に乗る時は、降りる人優先というのは、東西変わらないはずだ。 でも、東京では、降りる人を待たず…

終わらざる夏(上・中・下)

作者:浅田次郎|集英社文庫 1945年、敗色濃厚となった大本営は、終戦工作を密かに行い始めた。 英語に堪能な人物を徴兵し、前線に送り込み、終戦後の和平交渉に当たらせようとした。 東京の出版社で翻訳をしていた片岡は45歳という年齢にも関わらず、赤紙が…

狂犬

作者:矢月秀作|廣済堂文庫 捜査一課の刑事の神条は、妻子を強盗グループに殺害された過去を持つ。 非常な取り調べで、結果を出す神条は「狂犬」と呼ばれ、犯罪者に恐れられていた。 神条の妻子を殺害した永倉は、鷹石と尾賀という凶悪なパートナーと次の計…

猛暑

東京でも先週末から暑くなり、猛暑日の予報が続いている。 日中はオフィスの中で仕事をしているから、日光の暑さを体感することはない。 朝は早くに家を出て、日が暮れてから自宅に戻るので、日差しにさらされることもない。 マンションの自室ではエアコンを…

堂島物語1〜6

作者:富樫倫太郎|中公文庫 18世紀の大坂の米問屋を舞台にした経済小説。 文庫本で6巻と長編で、2部構成となっている。 前半の主人公は16歳と遅い時期に丁稚になった吉佐。 もともと農家の長男で、寺子屋で学び、教養の下地はあった。 加えて、米の先物取引…

トリック・シアター

作者:遠藤武文|講談社文庫 東京のマンションで、男性が刺殺され、同時刻に奈良の古墳で女性の死体が見つかる。 容疑者は同一人物で、どうやって離れた場所で殺人事件を起こすことができたのか謎が残った。 容疑者と被害者たちは大学の映画研究会のOBだった…

海江田ではだめだ

自民党は嫌いだし、安倍はどこから見ても馬鹿だ。 参院選は自民党がよほどのことがない限り勝つだろう。 政権を明け渡した民主党は、海江田が代表をやっている限りダメだ。 安愚楽牧場の問題もあるが、こいつ大臣の時にカメラの前で泣いたりしていた。 何か…

淑女の休日

作者:柴田よしき|文春文庫 女性向けのプランで人気のあるシティホテルに幽霊が出るという噂が立つ。 ホテルはその噂を打ち消すために、女性探偵を雇う。 美生は離婚歴のある探偵で、親友がこのホテルに勤めている。 美生はコンシェルジュの幽霊のトリック…