2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

赦されたい

作者:大石圭|幻冬舎アウトロー文庫 文庫本裏書 頼むから、出て行ってくれ ― そう夫に切り出されてから約10年、女ひとりで必死に生きてきた。 金のためには春も売った。 サディスティックな年下男に美しい体を凌辱されても耐えた。 ところが39歳の私を襲っ…

再会キャッチボール

作者:山本甲士|小学館文庫 文庫本裏書 売れないフリーライターの白銀力也は、ある日、先方の要望で、実際に会ったことが一度もない実の父親、合馬邦人のインタビュー取材を行うことになった。 そして取材の後で合馬から、会いたい人物が四名いると言われ、…

Miss You

作者:柴田よしき|文春文庫 文庫本裏書 有美は26歳、文芸編集者。 業界ではかけだしながら生真面目さと熱意で仕事は軌道にのりつつある。 しかし同僚の女性が殺され、元流行作家の妙な電話を受けてから、有美自身も狙われはじめた。 事故か。人違いなのか。…

サウタージ

作者:垣根涼介|文春文庫 文庫本裏書 故郷を捨て、過去を消し、ひたすら悪事を働いてきた日系ブラジル人の高木耕一は、コロンビア人の出稼ぎ売春婦DDと出逢う。 気分屋でアタマが悪く、金に汚い女。 だが耕一はどうしようもなくDDに惹かれ、引き摺られてい…

ヒートアイランド

作者:垣根涼介|文春文庫 文庫本裏書 渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅。 ヘッドのアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。 それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナ…

歩きながら朝食

出勤途中で、見かけるサラリーマン風の二人組は、隊列になって歩きながら、朝食をとっている。 職場についてから食べたほうがいいのにと思うが、それを許さない緊張感のようなものを纏っている。 モーレツ社員というよりは、ブラック企業に勤める社畜のよう…

私を知らないで

作者:白川三兎|集英社文庫 中学2年生の「僕(黒田)」は、夏の終わりに神奈川県に引越しをする。 親が銀行員で、転校には慣れていて、いじめられない術は身につけている。 新しい中学校でも、キーマンを見つけ、無難な学生生活をスタートさせた。 だが、…

盛り塩のある家

作者:福澤徹三|メディアファクトリー この作家の本はハズレがないから、迷わず買いなのだが、この作品はちょっと期待外れだった。 どこかで読んだようなパクリもなく、「再会」「ベランダの箱」「最後まで聞いて」は面白い。 作者が様々な人から収集した怪…

迷わず働け

作者:山本甲士|小学館文庫 ヤクザから借金の取り立てに追われた哲司は、同級生の伊部に偶然出会う。 ノイローゼ気味の伊部は、新しい会社に就職するのが嫌で仕方がなかった。 伊部と容姿が似ている哲司は、身代わりで就職することにした。 その会社は派閥…

中学んとき

作者:久保寺健彦|角川文庫 タイトル通り、中学生男子が主人公の短編集。 「純粋恋愛機械」は、憧れの女子に近づき、ライバルを排除してきたが、最後に打ちのめされる。 「逃げ出した夜」は、高校生の彼女と付き合い、とんがっている男子の性欲を赤裸々に綴…

もぐら 闘

作者:矢月秀作|中公文庫 刑事を辞め、新宿で「もぐら」という異名で恐れられた影野が活躍するシリーズ5作目。 1作目で殺人を犯し、刑務所に入るが、超法規措置で「モール」と呼ばれる組織に組み入れられる。本作はiPS細胞の開発にめぐる陰謀を暴く内容で…

オヤジ・エイジ・ロックンロール

作者:熊谷達也|実業之日本社文庫 印刷会社に勤め、50歳を目前にした功也は、学生時代にのめり込んだエレキギターを手にする。 楽器屋で購入したギターは予算をオーバーしており、妻にごまかす言い訳を考えた。 功也は親切な楽器店の店員のアドバイスを受け…

帝京大学ラグビー部

4連覇?は? まだ存在していたのだ。 レイプ事件でなくなったものだと思っていた。 つくづく不祥事に甘いな。大学自体無くなってしまっていいのだが。 日本語のラップのような不愉快な存在だ。 今の部員には責任はないのだが、レイプ事件の伝統を脈々と受け…

ラスト・レース

作者:柴田よしき|文春文庫 社内恋愛に疲れた秋穂は、宝石店に忘れられた指輪を持ち帰った夜にレイプされる。 同じ日に、近くのマンションで自分と同じ苗字のOLが殺害されていた。 秋穂は事件に巻き込まれたと悩むが、レイプした犯人が自分たちも巻き込ま…

小さいおうち

作者:中島京子|文春文庫 昭和初期に東北の田舎から、女中になるために上京したタキ。 小説家の家で奉公した後は、時子という美しい女性の家に住み込む。 時子は玩具会社の重役と結婚し、子供も授かり、タキと共に平和な生活を送っていた。 東京の郊外だが…

マングースの尻尾

作者:笹本稜平|徳間文庫 パリを拠点にした武器商人の戸崎は、相棒の娘に銃を突きつけられる。 相棒のポランスキーが殺害され、その疑いが戸崎にかかっていた。 娘のジャンヌに疑いを晴らし、以前から戸崎の商売の邪魔をしている男を追う。 フランスの軍部…

戦国鬼譚 惨

作者:伊東潤|講談社文庫 武田信玄死後から滅亡までの家臣団の動きを描いた短編集。 「木曽谷の証人」は材木の既得権を持つ木曽家の当主と弟の確執で、読み応えがあった。 「要らぬ駒」は武田家と命運を共にしようとする下條家当主と、生き残りを探る家臣と…

日本のセックス

作者:樋口毅宏|双葉文庫 容子は、夫のリクエストでスワッピング系の雑誌の撮影に参加する。 夫の佐藤は、容子が他人に抱かれていることに興奮する倒錯者だった。 佐藤に連れられ、本格的にスワッピングに参加するが、予期しない事態に巻き込まれる。 ポル…

A3(上・下)

作者:森達也|集英社文庫 オウム真理教の教祖麻原彰晃の裁判を追ったルポで、第33回講談社ノンフィクション賞受賞作。 判決の日に麻原の人格が完全に壊れていることを目撃した作者は、麻原の周囲を調べ始める。 死刑判決を受けた幹部にインタビューをして、…