赦されたい

作者:大石圭幻冬舎アウトロー文庫
文庫本裏書
頼むから、出て行ってくれ ―
そう夫に切り出されてから約10年、女ひとりで必死に生きてきた。
金のためには春も売った。
サディスティックな年下男に美しい体を凌辱されても耐えた。
ところが39歳の私を襲ったのは末期癌の宣告。
絶望、怒り、恐怖、あらゆる激情が去ったあと私はある人に赦されたいと強く願った。
女の性の悲哀を描く傑作長編。


末期癌で、余命いくばくもない主人公はサナトリウムで過ごしている。
身近な野鳥や草花に感動を覚えつつ、なぜ自分が死ななければならないのか無念の気持ちにあふれている。
サナトリウムの淡々とした描写と、癌が発覚するまでの売春婦としての遍歴が交互に描かれる作品。
最近の駄作に比べればマシな内容だが、傑作には程遠い。


赦されたい (幻冬舎アウトロー文庫)

赦されたい (幻冬舎アウトロー文庫)