2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

怪談実話集

作者:志村有弘|河出文庫 明治・大正時代に語られた怪談を集め、昭和初期に発行された『怪談実話揃』の現代語訳。 200ページほどの文庫本だが、50篇近い怪談が収められている。 全編に漂っているのは、宵から夜にかけての妖しげな雰囲気だ。 文明開化の後、…

駿河城御前試合

作者:南條範夫|徳間文庫 人気漫画「シグルイ」の原作を、神田の「時代屋」で見つけたので、購入した。 南條の代表作は読んでいるつもりだったが、これは未読だった。 大納言忠長支配下の駿府城で、11組の侍が真剣勝負で闘う話で、それぞれの果し合いが順番…

モラルと携帯電話

普段はほとんど事務所の中で仕事をしているのだが、今日は何度か外出した。 歩いていて、目に付くのは携帯で話をしながら、あるいは画面を見ながら歩いている人の多さだ。 フラフラ歩いている自覚もなく、なぜこちらが気を遣って、よけなければならないのか…

Wikipedia『一覧の一覧』

WEB

Wikipediaは面白い項目がたくさんあるが、見つけるのが難しい。 でも、この『一覧の一覧』は読み物として非常に面白く、時間つぶしに最適。 とりあえず、面白いのは、 ●カルトと指摘された団体・人物の一覧 →これはオウム真理教の起こした事件・人物から、ア…

逃亡くそたわけ

作者:絲山秋子|講談社文庫 夏が終わってしまうことに不安感を覚えた「あたし」は、自殺を図り、精神病院に押し込まれる。 「亜麻布20エレは上衣一着に値する」という声が聞こえ始めると、体調が悪くなる。 「あたし」はこのまま入院していても退屈なので、…

300年のベール

作者:南條範夫|批評社 徳川家康の出自に疑問を持ち、明治の初期に評伝を出した村岡素一郎を取り上げた作品。 静岡県庁に勤める平岡(この作品では名前が変わっている)は、家康の晩年の発言に疑問を持つ。 「自分は5貫文で売られた」という発言の意味する…

カタコンベ

作者:神山裕右|講談社文庫 第50回江戸川乱歩賞受賞作品が文庫化された。 洞窟潜水をするケイブダイバーの東馬は、自らのミスでパートナーを死亡させた過去を持っていた。 そのパートナーの娘の弥生は大学の研究室に所属し、新潟県で新しく発見された鍾乳洞…

あかん

作者:山本甲士|小学館文庫 大阪で自堕落な生活を送るヤクザ予備軍のマヌケな若者を描いた連作集。 「たたき」はパチンコ屋の金庫を襲撃しようとする3人の若者の仲間割れの話。 「兄貴」は準構成員の若者が倉庫破りを持ちかけられるが、罠にはめられる話。 …

キチガイ横綱

心技体3拍子揃っていないといけないはずなのに、サボリを咎められて、精神病になった横綱。 もう復帰してもあかんやろ。格闘技にでも転進したほうがいいな。

ソロモンの犬

作者:道尾秀介|文藝春秋 自転車便のバイトをしながら大学に通う秋内は、親友達の中に殺人者がいるのではと疑っていた。 発端は、助教授の鏡子の息子が飼い犬を追いかけて車にはねられて死んだことだった。 そのそばにいた友人達の行動に怪しい点を見つけ、…

佐賀北できすぎ

夏の甲子園大会で佐賀北高校が優勝した。満塁ホームランで逆転なんて漫画のようだ。 この高校の優勝を予想できた人はまずいないだろう。マスコミの評価も低かったし。 開幕戦に出場し、2回戦で延長再試合を勝ち抜き、波に乗った。 準々決勝の帝京戦は延長か…

フォックス・ストーン

作者:笹本稜平|文春文庫 海外での傭兵経験のある桧垣は、日本での事業に失敗し、くすぶった生活を送っていた。 そんな時、かつての傭兵仲間で、ジャズピアニストのダグが東京滞在中に薬物中毒で死亡する。 ダグの死に不信感を持った桧垣は、フリージャーナ…

ワンダーJAPAN

日本の異空間体験マガジンと題された不定期刊行雑誌の創刊号と第2号を、大阪で入手。 第一号は東京の不思議な建造物と国内に残る戦争遺跡の特集。 上野公園から見えるのこぎりの歯のようなギザギザなビルと、元麻布タワーは実際に近くで見るとかなり印象に残…

床下仙人

作者:原宏一|祥伝社文庫 会社勤めのストレスの中で遭遇する不思議な体験を5つ集めた短編集。 表題作の「床下仙人」はマイホームの床下に住み着いた男に翻弄される家族を描いている。 「家の中に変な男が住んでいる」という妻の言葉に耳を貸さなかった夫は…

廃墟彷徨

作者:中田薫¥ぶんか社文庫 日本各地に残された廃墟を全ページを写真でレポートした文庫本。 それは学校、病院、ラブホテル、旅館、遊園地や廃坑もある。 文章は少ないが、いかがわしさと侘しさにあふれている。 すぐに読めるので、大阪滞在中に知り合いに…

大仏破壊

作者:高木徹|文春文庫 タリバンによるバーミアン大仏破壊はなぜ起きたのか? その半年後のアルカイダによる「9.11」テロとの関連を描いたルポ。 タリバンが勢力を伸ばした経緯と、ビンラディンがアフガンに及ぼした影響を克明に記述している。 世間知らず…

ワルボロ

作者:ゲッツ板谷|幻冬舎文庫 パチンコ雑誌で面白いコラムを書いていた筆者の自伝的小説。 舞台は70年代末の東京立川。優等生の道を踏み外す喧嘩から話は始まる。 立川3中のヤッコ、キャーム、小田嶋、ドッチン、メギチャンとつるむようになったコーちゃん…

大阪滞在

13日から大阪に帰省し、先程東京に戻ってきた。 大阪はめっちゃ暑かったが、バテることなく、毎晩飲み歩いた。 意外に本も読めた。 パソコンの前に座ることはなかったが、困ることはなかった。 株価が暴落しているようだが、慌てて売却しても損するだけだと…

○○ジャパン&○○王子

なでしこジャパンって何?女性のサッカーの試合が五輪でもあるのは滑稽だ。 エースの澤って、小倉が女装しているのかと思った。 女子バレーも柳本ジャパンとかで、テレビで試合をしているが、弱い。 何でもかんでも、何とかジャパンでクローズアップするのは…

桜井高校

今日の高校野球の第三試合を終盤から見た。 中学時代に軟式の野球部で全国準優勝をしたメンバーが、地元の県立高校に進学した桜井高校。 何となく応援したくなったが、延長戦の末に押し出し四球で敗れた。 良いチームだったと思う。もう少し甲子園で見たいチ…

残虐記

作者:桐野夏生|新潮文庫 女流作家の小海鳴海が、少女の頃に監禁されていた事実を記した手記を残し、失踪する。 彼女は、監禁事件の犯人から出所したという手紙を受け取っていた。 鳴海こと景子は小学4年生の時に工員のケンジに誘拐され、工場の2階に監禁さ…

金光大阪

おそらく負けるだろうという予想は当たり、案の定、失望させてくれた。 大阪代表が1回戦で負けるのは恥だ。大阪桐蔭に勝った価値がなくなったな。 負け方もひどい。逆転された後は反撃もできず。こんな高校は当分甲子園では見たくない。 北陽、履生社、上宮…

グランド・フィナーレ

作者:阿部和重|講談社文庫 主人公は重度のロリコンで、娘や他の女の子の写真を大量にハードディスクに残していた。 それを妻に見つかり、逆上した彼は暴行を加えた結果、DV夫の汚名を着せられ、離婚に至る。 彼は娘のことが忘れられず、友人を介して、娘…

休暇の過ごし方

『どこにも出かけずに、極上の休日を過ごす10の方法』という記事を読んだ。 10の方法は以下の通り。 1.音を遮断する 2.暑さを遮断する、風を作る 3.携帯電話の電源を切る、または、別の部屋に置き忘れる 4.時計を捨てる、または、隠す 5.音楽を聴く 6.火を使…

最後の記憶

作者:綾辻行人|角川文庫 若年性アルツハイマーに倒れた母の、幼少時代の記憶の謎を追うミステリー。 大学院生の森吾は、50歳で記憶が失われていく母の千鶴を恐れながら看病していた。 これは遺伝するの病ではないのだろうか?森吾は将来に悲観し、徐々に自…

大名廃絶録

作者:南條範夫|文春文庫 漫画「シグルイ」でまた光が当たった感のある作家の再販本。 直木賞を受賞した「燈台鬼」を始め、残酷な歴史物語は今でも十分ウケると思う。 「廃城奇譚」や「第三の影武者」「古城物語」とか「残虐の系譜」など、復活してもらいた…

東京で生活する意味

突然、上京してきた友人と、神保町で酒を飲んだ。 東京の生活を聞かれ、「面白いが、人が多すぎて、金が無いと惨め」と答えた。 仕事の事情がなければ、今でも大阪に暮らしていたはずだ。 何が気に入らないかというと、人が多すぎることだ。たぶん、東京の人…

蝉の存在価値

昨日から、東京もかなりの暑さだ。日中は34度をこえている。 暑いのは昔から好きだが、虫の多さには困ってしまう。 特に蝉。鳴き声は気にならないが、死骸が自宅周辺にたくさん転がっているのは気持ち悪い。 死んでいると思っていた蝉が、いきなり鳴き声を上…

聖灰の暗号 上・下

作者:箒木蓬生|新潮社 13世紀のローマ教会によるカタリ派の弾圧にスポットを当てた歴史ミステリーで、文句なしに面白かった。 冒頭の「私は悲しい」という詩がいい。 空は青く大地は緑。 それなのに私は悲しい。 鳥が飛び兎が跳ねる。 それなのに私は悲し…

号泣

昨日の夜、九段下の道路工事現場で、号泣しているガードマンを目撃した。 怪我でもしているのだろうかと、心配して近寄ったが、そんな様子もない。 作業員や他のガードマンは、無視して作業を続けていた。 おそらく、こっぴどく叱られたのだろう。 人目を憚…