2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

踏んでもいい女

作者:斉木香津|小学館文庫 終戦間際の横浜で、銭湯を営む寅吉は、そろそろ家族を疎開させようと考えていた。 19歳の孫娘の真砂代は、見合い相手に一方的に振られ、ショックを受けていた。 相手は、忘れられない女性がいるという。 東京で空襲が始まり、そ…

誰にも書ける一冊の本

作者:荻原浩|光文社文庫 主人公の「私」は函館で生まれ、大学進学を機に上京する。 広告代理店に勤務し、32歳で独立し、広告代理店を経営するようになった。 40歳の時に、小さな賞を受賞し、作家としてデビューするが、3冊目をなかなか出せないでいる。 父…

金曜のバカ

作者:越谷オサム|角川文庫 5つの短編が収録。 「金曜のバカ」は合気道を修行する女子高生と、ニートのオタクとの対決の話。 「星とミルクティー」は天体観測に赴く暗闇で偶然出会った男女の高校生の話。 「この町」は、夜行バスに乗り、同級生の彼女と東京…

偽りのスラッガー

作者:水原秀策|双葉文庫 文庫本裏書 かつてスター選手だった秋草隼は、膝の故障で引退した。 再手術し、人目を避けて寂れたバッティングセンターに通うものの、四年が経ち、選手としての夢は消えかけている。 そんな秋草に旧知の球団GMから意外な話を持…

塩の街

作者:有川浩|角川文庫 作者のデビュー作。 地球に隕石が落下し、日本は塩害にさらされるようになった。 人は、身体の末端から、塩に侵され、ポキリと折れるように死んでいく。 女子高生の真奈は、塩害で家族を失い、秋葉という青年と暮らしていた。 真奈は…

優しいおとな

作者:桐野夏生|中公文庫 福祉システムの崩壊した日本。 かつての繁華街シブヤもスラム化していた。 野宿者で、一人で生きている少年のシオン。 彼を気に掛けるNGO代表のモガミ。 シブヤで勢力を伸ばす女性ホームレス集団の「マムズ」 シオンは、一人で生き…

桧山

阪神の桧山は今シーズンで引退が決まっているが、もう使わないほうがいい。 代打の神様とか、もてはやされていたが、中途半端な選手だった。 記録は積み重ねているが、劇的なシーンの記憶が少ない選手だった。 FA宣言をしても、獲得する球団もなく、年俸が上…

この国。

作者:石持浅海|光文社文庫 文庫本裏書 一党独裁の管理国家である「この国」は非戦平和を掲げることで経済成長を遂げた。 死刑執行は娯楽となり、国民は小学校卒業時に将来が決められ、士官学校は公務員養成所と化し、政府が売春宿を管理する。 そんな国の…

みのもんた

記者会見を見たが、何でこいつに罵声を浴びせないの? 報道も甘いな。擁護するような問いかけも全然だめだ。 もっと突っ込めないのか?身内意識があるのか、がっかりさせられた。

硝子の鳥

作者:新堂冬樹|角川文庫 公安の美貌刑事として、身分を偽り、潜入捜査を続ける梓。 新宿署のマル暴の刑事でありながら、ヤクザの饗応を受ける悪徳刑事の佐久間。 新宿を麻薬で牛耳ろうとする朝鮮人ヤクザの李。 ストーリーは、3者の対決がメイン。 李はあ…

作者:吉村昭|文春文庫 作者の初期の短編集。 表題作の「磔」は、豊臣秀吉の切支丹禁止令による26聖人殉教の話。 上方で捕縛された彼らが、長崎で処刑されるために移送されるまでを描いた短編。 棄教を拒否し、片耳を切られるシーンは痛々しい。 さらに迫害…

嫌な女

作者:桂望実|光文社文庫 子供のころから周りに可愛がられ、成長してからは男を手玉に取る夏子。 従妹の徹子は、夏子を意識しつつも、勉強に励み、弁護士になった。 徹子の最初の案件は、夏子が農家の長男との婚約に関するトラブルだった。 その五年後、夏…

完盗オンサイト

作者:玖村まゆみ|講談社文庫 フリークライマーのトオルは、彼女に振られ、傷心のまま海外から帰国する。 浅草で野宿していると、小さな寺の住職に声をかけられ、居候となる。 住職の岩城と、どこかから預けられた子供の斑鳩。 岩城は寺の収入だけでは生計…

謎解きはディナーのあとで

作者:東川篤哉|小学館文庫 文庫本裏書 国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。 『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。 大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替え、ディナ…

責任をとらない風潮

福島原発の後処理に税金が新たに使われることが決まった。 被害を食い止めるためには、致し方のないことだと思う。 だが、納得いかないのは、震災後から誰も責任を取っていないことだ。 被害を受けた福島の酪農家が自殺したりしているのに、東京電力や政治家…

共震

作者:相場英雄|小学館 震災から2年が経った仙台で、復興支援に携わる県職員が殺害される。 彼は、東北広域に足を延ばしており、被災者の信頼も厚かった。 被害者と親交のあった新聞記者の宮沢は、警察の取材に臨む。 震災前から因縁のあるキャリア官僚の田…