優しいおとな

作者:桐野夏生|中公文庫
福祉システムの崩壊した日本。
かつての繁華街シブヤもスラム化していた。
野宿者で、一人で生きている少年のシオン。
彼を気に掛けるNGO代表のモガミ。
シブヤで勢力を伸ばす女性ホームレス集団の「マムズ」
シオンは、一人で生きていくために、地下で暮らす集団に身を投じる。
家族や仲間を持たなかったシオンは、仲間を得た気分になる。
ところが、シオンが持参した銃でリーダーは自殺してしまい、シオンは監禁されてしまう。


近未来を描いたSFタッチの作品。
そこそこ面白いが、何となく自分には合わなかった。
ベストセラー作家で、「OUT」は確かに面白かった。
その後の作品も読んだが、ストーリーを取り巻く世界観の構築は素晴らしい。
でも、そこで展開されるストーリーはそんなに意外性もない。
あくまで自分の感性と相性の問題なので、悪くないと思う。