2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ラストソング

作者:野沢尚|講談社文庫 「破線のマリス」で作家デビューする前に書かれた作品。 携帯電話もなく、ようやくCDの発売が始まった80年代初頭の福岡。 地元のスターの修吉はレコードデビューを控え、ラストライブに備えていた。 ラジオ局に勤め始めた倫子は…

桜満開

九段の桜も満開となり、靖国通りは人でごったがえしている。 天気が悪いのにもかかわらず、人の多さに、地元で桜を見ろよと毒づきたくなる。 こういうとき、京都の観光地に住む人たちの気持ちがわかる。 自転車で出かけるのにも、裏道を通って、神保町に向か…

公明党は存在しないほうがいい

得体の知れない宗教団体が政治の世界で幅を利かせているのは異常だ。 公明党の議員達が賛成したので、首都銀行東京の追加出資も行われるようだ。 国政でも自民党は公明党をパートナーにして、顔色を伺っているように見える。 メディアでは「新潮」が闘ってい…

弥勒の掌

作者:我孫子武丸|文春文庫 高校教師の辻は、教え子に手を出し、妻とは冷え切った仲になっていた。 ある日、家に戻ると、妻の姿がなかった。自分に愛想をつかせたのだろうと肩の荷が下りた気でいた。 そんな辻の下に警察が訪れる。妻に対して誰かが捜索願を…

人を殺してみたかった

茨城で通り魔になった男。岡山で人を線路に突き落とした男。 「人を殺してみたかった」「刑務所に入りたかった」と短絡的な理由。 人を殺すということに至るプロセスまで、大事なところが2つも3つも抜けている。 こんなスパークの仕方をする連中が増えてい…

阪急電車

作者:有川浩|幻冬舎 阪急今津線の8駅間ですれ違う人たちの人間模様を描いた連作集。 宝塚を発車した電車の中から話は始まる。 図書館でよく出会う女性から声をかけられた征志。 同僚に恋人を取られた結婚式に出席した翔子。 孫を連れ、犬を飼おうと思って…

笑いの現場

作者:ラサール石井|角川SSC新書 コント赤信号としてデビューする前の学生時代から現在までを振り返りつつ、お笑い界の流れを描いた作品。 この手の本は自分の話に偏りがちだが、客観的にかつ俯瞰的に全体論としてまとめているので非常に読みやすかった。 …

TVJ

作者:五十嵐貴久|文春文庫 テレビジャパンの経理部に勤める由紀子は、ディレクターの岡本からプロポーズされ有頂天だった。 テレビジャパンは古い社屋からお台場の新しい建物に移り、そのこけら落としで「72時間テレビ」をスタートさせた。 その最中、北朝…

下関商業のセンターの落球

2ちゃんねるの面白い書き込み。センター「おっしゃ、正面!余裕余裕!これで3アウトチェンジだぜ!」 ↓ センター「でも、もしここで俺が落としたらA級戦犯確定だろうな(笑)」 ↓ センター「あれ?なんかそう考えると、このキャッチって死ぬほど重要じゃ…

群雲、賤ヶ岳へ

作者:岳宏一郎|光文社文庫 黒田官兵衛を主人公とした歴史小説。秀吉との出会いから、中国大返し、関ヶ原までを描いている。 前作の「群雲、関ヶ原へ」は合戦に参加した武将達の葛藤を緻密に描き、長編を思わせない面白さだった。 この作品は一変して、あく…

桜開花

卒業式のシーズンだ。袴の女性とスーツの男性の姿を九段の坂で見かけるようになった。 この時期、武道館では色んな大学の卒業式があり、新たな生活に巣立つ人たちを見るとがんばれよと思う。 今日は専修大学の卒業式があったようだ。あまり賢そうではないが…

デススポット

職場や自宅の近くで、場所は悪くないのに、頻繁にテナントが代わる場所がある。 そのほとんどは飲食店だけど、不思議なくらい短期間で店をたたむ。 味の良い店も長くは続かない。何故だろうと思うが、共通していることがある。 それは、オープンして間もない…

スメラギの国

作者:朱川湊人|文藝春秋 人間と猫との戦争を描いたサスペンスホラー。 営業マンの志郎は、麗子との結婚を控え、坂の多い神音町のアパートに引っ越してきた。 アパートの裏には空き地があり、中心は林のように鬱蒼としており、多数の猫が住み着いていた。 …

あれ、データが飛んだぞ

ここの記述を終えて、登録ボタンを押すと編集内容が消えてしまった。 結構な量の長文を打っていただけにかなりの脱力感。 別のブログで頻繁にこんな症状が出たことはあったが、はてなでは初めてなので、結構ショック。 普通はブラウザの操作で、元に戻すこと…

不審者

職場の下のフロアに、資格関連の予備校のようなテナントが入居したのが1年ほど前だ。 直後から、自分達の職場のあるフロアに関係のない連中が目に付くようになった。 下のフロアの学生がトイレを使いに来ているのだろうと黙認していた。 だが、深夜の消灯し…

鎮火報

作者:日明恵|講談社文庫 二十歳の新米消防士の活躍を描いたミステリー。消防がテーマの小説は珍しい。 大山雄大は赤羽台出張所のポンプ隊に所属しているが、消防の仕事に対しては醒めていた。 雄大の父親も消防士だったが、火事の現場で殉職し、家族を省み…

電気が切れた

今、電気が切れた部屋の中で、これを書いているが、暗いとこんなに不自由だとは思わなかった。 ロベルト・カルロスみたいな顔をした女性。クソ不味かった中華料理屋。 今日一日の出来事や、読んだ本のことを書くつもりだったが、手元が暗いと考えもまとまら…

上京して5年

東京に移り住んだのは2003年3月14日で、ちょうど5年経った。 5年前、大阪は晴れていたのに、東京は冷たい雨が降っていた。 まったく土地勘のない場所で、知り合いもなく、いい年なのに孤独を感じた。 おまけに東京の職場の人たちと、あまり馬が合わなかった…

デスマーチの唄

2ちゃんねるより。デジタル土方は周りにはいないが、笑ってしまった。 父ちゃんのためなら エンヤコラ 母ちゃんのためなら エンヤコラ もひとつおまけに エンヤコラ今も聞こえる デスマーチの唄 今も聞こえる あの子守唄 派遣現場の昼休み パキシル飲んで …

深泥丘奇談

作者:綾辻行人|メディアファクトリー 本格ミステリ作家による不思議な雰囲気に満ちたホラー連作集。 主人公の小説家が、自宅近くの病院に通い始めたときから、おかしな光景を目にするようになる。 胃の中に顔が見えたり、電車の形が昆虫に見えたり、発音の…

みなさん、さようなら

作者:久保寺健彦|幻冬舎 小学校を卒業した悟は、中学校に行かず、自分の住む団地から一歩もでないことを宣言した。 悟は毎日、団地内のコミュニティセンターに通い、図書館で本を読んだり、映画を見て過ごす。 大山倍達に憧れ、我流のトレーニングをし、団…

五輪マラソン汚染で王者欠場

ゲブレシラシエ 大気汚染でマラソン欠場 男子マラソンの世界記録保持者、ハイレ・ゲブレシラシエ(34=エチオピア)が10日、北京五輪同種目への欠場を正式に表明した。「中国の汚染は自分の健康にとっては脅威。現在の状況では42キロを走るのは難しい…

贅沢をしないことのどこがかわいそうなのか?

『一番の関心事は貯金 20代は「かわいそうな世代」なのか』から引用。 「酒を飲まない。車を買わない。休日は「家にいる」。一番の関心事は貯金――。 これが20代の若者の特徴だという調査結果が公表された。 そこから垣間見えるのは保守的でつつましく、見方…

彼女について知ることのすべて

作者:佐藤正午|光文社文庫 1984年、ロサンゼルスオリンピックが開催された夏の夜、私はある男を殺害するために車を走らせていた。 地方の小学校で教師をする私は、同僚の教師と結婚するつもりでいたが、看護婦のめいと恋に落ちる。 だが、めいには刑務所を…

赤いヤッケの男

作者:安曇潤平|メディアファクトリー 山で起きた怪異をばかりを取り上げた怪談集。25編の話が収録されている。 日本では古来から山は信仰の対象で、畏怖の念を持ち、見上げてきた。また死者が集まる場所とも考えられてきた。 自分は山に登ったりすることに…

極点飛行

作者:笹本稜平|光文社文庫 南極と南米大陸を舞台にした冒険小説で、これは非常に面白く、作者の代表作になると思う。 主人公の桐村は、南極で物資輸送をするパイロットだが、かつて日本の航空業界を追い出された過去を持つ。 クリスマスの日、南極で定期運…

一人で仕事がしたい

今、大きな規模のサイトを作成していて、非常に忙しい。 基本的に一人で片付けるつもりだったが、サポートの人間が一人ついた。 知識はあるのはわかっていたので、作業を分担した。 こちらが振った作業をどんどんこなしてくれるので、かなり助かった。 で、…

降臨

作者:明野照葉|光文社文庫 人の無意識な悪意を敏感に感じ取ることのできる夫婦が、様々な問題を抱えた人に出会うホラー連作集。 第1話は複数のマンションの管理人をしている淑彦が、満員電車に乗ることができない理由を描いている。 第2話はストレスのため…

自転車購入

今まで乗っていた自転車は大阪にいるときから、7年間乗っていたので愛着があった。 防犯登録は曽根崎署のまま、東京に運んできて、毎日の通勤に利用した。 新宿・渋谷・六本木・錦糸町など、色んな所に行った。 自転車のおかげで、東京の地理を把握できたし…

ケータイ紛失

作者:吉村達也|角川ホラー文庫 東京百貨店の企画部門で働く尚美は、自身の企画が成功し、不倫相手の津田との関係も良好だった。 だが、昼休みの公園で携帯を紛失し、最悪のストーカー男に拾われたことで、恐怖のどん底に。 携帯電話の中には尚美と津田のメ…