赤いヤッケの男
作者:安曇潤平|メディアファクトリー
山で起きた怪異をばかりを取り上げた怪談集。25編の話が収録されている。
日本では古来から山は信仰の対象で、畏怖の念を持ち、見上げてきた。また死者が集まる場所とも考えられてきた。
自分は山に登ったりすることに興味はないが、この本で取り上げられている山の雰囲気は気に入った。
どこかで聞いたことのあるような話はなく、オリジナリティに満ちている。
山で夜に出会う怪異は、逃げ場所がないから余計に恐怖が募る。
最初の「8号道標」から「アタックザック」「赤いヤッケの男」「山小屋の掟」までの4話はかなり怖い。
他にも「鏡」や「笑う登山者」「荒峰旅館」「ゾンデ」「霧の梯子」など秀逸な怪談が収録されている。
ネタはいつまでも続かないと思うが、この本はテーマに絞ったことで成功していると思う。
- 作者: 安曇潤平
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2008/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (9件) を見る