2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

水曜の朝、午前三時

作者:蓮見圭一|新潮文庫 脳腫瘍のため、45歳でなくなった直美は娘に4巻のテープを残していた。 病床で、遺書代わりに残したテープの内容が物語の主題となっている。 早くから許婚を決められた直美は、反発するかのように大阪に行くことにした。 大阪では万…

こどもの一生

作者:中島らも|集英社文庫 瀬戸内海の島にある病院に集まった5人の男女は、睡眠治療で10歳の子供に戻る。 病院には院長と看護婦の二人だけで、島には他の人はいない。 10歳のころに戻った男女だが、社会的地位にあることは意識の下に残っていた。 そのうち…

夏空

梅雨は明けた。東京は湿気も無く、綺麗な暑さだった。 日陰に入ると涼しさを感じるくらいで、こんな夏ならいいなという日だった。 ここのところ馬券も好調で、小倉記念を的中させて、10万円ほど浮いた。 この春からの馬券の調子だと、これで喰えるかなと思う…

無料のプール

今シーズン初めて、港区の芝プールに行ったが、改装中だった。 小さな張り紙があったので、見ると三田で代替営業しているらしい。 場所は廃校となった三田中学校。大体の場所を頭に入れ、歩いて行くことにした。 初めての場所でも道に迷うことは無いし、方向…

死日記

作者:桂望実|小学館文庫 中3になった田口潤は、日記をつけ始める。 この小説はその日記の記述が主体になっている。 父親は交通事故で亡くなり、母は愛人を自宅に呼び込む。 愛人はすぐに母に暴力を振るうようになるが、潤には何もできない。 潤の生活は省…

水霊(ミズチ)

作者:田中啓文|角川ホラー文庫 民俗学の教授の杜川は、宮崎でかつて新興宗教を主催していた家を訪れる。 娘の由美が引き起こすポルターガイストの真偽を見るためだった。 娘は折檻を受けているようだったが、杜川の前でポルターガイスト現象を起こす。 取…

新卒採用

自分のいる組織は、専門的な知識が必要なため、新卒が配属されることはない。 たまたま、本部の人事の人と話をする機会があり、今年の採用状況を聞いた。 景気が上向きになり、2年ほど前から大手も採用枠を広げている。 今年はバブル期以来の売り手市場に転…

ワーキングプア

WEBの業界では、かなり安い給料で働いている人たちがたくさんいる。 若い人だけではなく、年配の人たちも下請けでは驚くような低報酬だ。 景気が上向き、求人も増えてきているが、でもWEBの仕事は単価が下がっている。 以前に自分がやった仕事は、他の人が四…

休暇疲れ

月曜はいつも調子が悪い。特に午前中は全く仕事をする気がしない。 年々傾向がひどくなっていく。休暇疲れなのだろうか? 長年の飲酒と喫煙のツケが来ているような気もする。 こんなことなら、月曜の午前中はミーティングを入れようと思う。 早速提案したら…

I天唄歌い

作者:坂東真砂子|朝日新聞社 江戸時代初期、薩摩藩で通訳を務める亥次郎は、琉球に向かう途中、船が難破する。 漂着した島は、言葉は通じず、予言者の女性が支配する南の孤島だった。 この島では、余所から流れ着いた人を犬扱いして、残飯を与えるのが慣例…

今日も仕事

会社は休業日なのだが、誰もいない事務所で仕事をする。 不思議なもので、誰もいないとサボろうとは思わない。 自分の周りだけ電気をつけて、仕事をするが、エアコンはフロア全体に行き渡っている。 資源の無駄遣いだと思い、離れたところの空調を切ろうと思…

川の名前

作者:川端裕人|ハヤカワ文庫 小学5年生の菊野脩は、カメラマンの父親と一緒に、世界各地を旅していた。 そのため転校は多く、夏休みを日本で過ごしたことはなかった。 だが、この夏休みは日本に残り、友だちのでぶ丸と河童と自由研究をすることにした。 脩…

他人の生活

どうみても、はやっていない店が続いているのは不思議に思う。 タバコ屋とか、酒屋とか、薬局は何故つぶれないのだろうか? 飲食店やコンビニなんかは、客足が遠のくと確実につぶれるのにな。 神保町の古本屋もそうだ。売れているようには見えないのに営業し…

ピースサイン

作者:福澤徹三|双葉社 創作怪談では、クオリティの高い作品を出し続ける作家のこの夏の新作。 現実と妄想の境がなくなり、異界に転落する人を描くのがこの作家の特徴だ。 ピースサインをして写真にうつると早死にするらしいという噂話の「ピースサイン」 …

ランチブッフェ

作者:山田宗樹|小学館 ホラーからギャグまで幅広い作風の6篇の作品が収められた短編集。 バツイチ男のもとに十年前の妻と自分からの手紙が届く「二通の手紙」 農薬会社の営業マンがクレーム先の百姓の家に赴く「混入」 表題作の「ランチブッフェ」は同級生…

飼育する男

作者:大石圭|角川ホラー文庫 幼い頃に森の中で見たポルノ雑誌。夢中になった蝶の採集。 少年は大人になり、親の遺産を受け継ぎ、ゆがんだ性癖を実行にうつし始める。 自宅の地下室を改造し、気に入った女性を拉致して、監禁する。 部屋は6つあるので、常時…

東京湾景

作者:吉田修一|新潮文庫 品川の倉庫で働く亮介は、出会い系サイトで涼子と知り合う。 羽田空港からモノレールに乗った二人だが、進展の無いままに別れた。 その後、真理と親しくなった亮介だったが、涼子のことが忘れられない。 お台場で働くOLと対岸の倉…

ゆるしてはいけない

作者:平山夢明|ハルキ・ホラー文庫 ティーンの女性誌に連載していた話をまとめた文庫本。 頭のいかれた連中がいっぱい出てくるが、彼の作品にしてはエグさは控えめ。 量産のツケがでてきているのか?

夏休み

作者:中村航|河出文庫 主人公の「僕」は妻と、妻の母親と3人で都営住宅で暮らしている。 妻はサラリーマン、「僕」は在宅勤務をしている。 ある日、妻の友人の舞子と旦那の吉田君と知り合いになる。 意気投合した四人だが、突然、吉田君がプチ家出をする…

移動の間

新幹線で東京ー大阪を移動中や、ホテルで待機している時間に本を読んだ。 でも、あまり集中できなかった。文庫本を4冊持っていったのだが、2冊読み終え、 3冊目の途中で、東京に戻ってきた。

プール

昼過ぎに大阪に到着。 大阪は非常に暑い。 心斎橋からタクシーに乗り、かつてよく利用した真田山プールへ。 多少混んでいたけど、あまり変わっていないのが良かった。 ただ、残念なのは全面禁煙になったこと。 おかげで一時間ほどでプールからでた。 炎天下…

暑い

2日ほど前から、東京も急に蒸し暑くなった。 エアコンの効いたオフィスで仕事をしているから、あまり影響はない。 むしろ暑いのは好きなほうだ。汗をかいて、外で泳げるし。 でも、今年はまだ外で泳いでいないし、あまり泳ぎたいとも思わない。 体力と気力が…

新耳袋 ノブヒロさん

作者:加藤淳也|メディアファクトリー 「新耳袋」の第7夜に収録されていた作品のリメイク。 ノブヒロさんという画家に出会った悦子は、いつしか彼に惹かれていく。 ただ、時々出てくる言動に不気味なものを感じていた。 自分はかつて心中に失敗して、木にぶ…

みたま祭り

靖国神社でみたま祭りが始まった。蒸し暑いのに、人が多い。 自宅近辺が騒がしいのは我慢するけど、ゴミくらいはちゃんと捨てて欲しいな。

押入れのちよ

作者:荻原浩|新潮社 この人には珍しいホラー短編集。色んなテイストがあるが散漫な印象だ。 死者と残された人の立場が劇的に入れ替わる「コール」は傑作だと思う。 表題作の「押入れのちよ」もほろっとする人情話で、面白い。 ただ、他の6作品ははっきり言…

ニッポン「不思議島」異聞

別冊宝島編 日本は島国で、7千近い島がある。そのうち人が住んでいるのは数百。 この本は「本当に日本なのか?」というくらいの孤島を取り上げている。 人魚を祭った南の島の神社、生き胆を食べるという習慣のある島。 毒蛇や猛毒の貝、人を襲う魚。およそ…

いま、殺りにゆきます

作者:平山夢明|英知文庫 普通の生活を送っていた人が、何かのきっかけで絶望に追いやられる。 サイコパスから言われも無い暴力を与えられる短編集で、痛い描写が満載。 ペンチで乳首を引きちぎる。剃刀の刃をなめ続ける。 手足の関節を一本ずつ折られる。…

チーム・バチスタの栄光

作者:海堂尊|宝島社 2006年の「このミステリーがすごい」大賞受賞作。 東城大学医学部付属病院には、桐生助教授率いる心臓手術チームがあった。 彼らは「チーム・バチスタ」と呼ばれ、難しい手術をこなしてきていたが、 立て続けに3つの死亡事故を起こす…

昼食難民

1時過ぎに昼食をとろうと、水道橋付近をうろつく。 目当てにしていた店は、どこも混んでいた。 並ぶのが嫌いなので、別の店に行くが、どこもいっぱい。 何も無いところなのに、なぜ、こんなに人がいるのだろう。 どこからやってきているのか不思議に思う。 …

プレゼン

人を集めて、自分の考えを発表する。そんな機会が多くなった。 パワーポイントを使うことになるとは夢にも思わなかった。 使ってみると、意外に楽なので、最近は使うようにしている。 でも、アニメーション効果だけはダサ過ぎるから、まったく使わない。 「…