作者：安部龍太郎｜集英社文庫 文庫本裏書 関ヶ原合戦が終わった。 天下分け目の大戦に勝利した東軍徳川方では恩賞問題に苦慮していた。 黒田如水に謀反の疑いあり！ そんな訴えがあり、徳川家康は本多正純に真偽の究明を命じた。 如水と石田三成との間に密…

作者：相場英雄｜幻冬舎文庫 新潟の鉄くず工場で、朝鮮人が溶鉄を浴びて死亡。 目の前で目撃した息子は、高校を退学し、姿を消してしまう。 雇い主の工場の子供たちは、裕福な生活を送り、東京で就職する。 姉が新聞記者になり、弟はプロレス団体に就職する…

作者：田村優之｜ポプラ文庫 高校時代、ボクシング部で親友同士だった修一と有賀。 修一の彼女の自殺という事件で、有賀と修復不可能な関係となる。 有賀は高校を中退。修一は一浪後、関西の国立大学へ。 修一は金融機関に就職し、20年後、アナリストとして…

作者：荻原浩｜新潮文庫 8つの作品が収録された短編集。 東京で家族との紆余曲折を重ね、故郷に帰る中年の旅路を描いた「トンネル鏡」 若い頃に海外でマジシャンとして活躍した祖父を観察する孫娘の「上海租界の魔術師」 定年退職する夫を迎える主婦が結婚か…

作者：深木章子｜講談社文庫 新宿で個人医院を経営する北川秀彦が、死体で見つかる。 友人の医師の木島は、北川の妻の郁江の依頼を受け、死因を操作する。 保険金を満額受け取った郁江は、末っ子の由紀名を夫の親族に養子に出す。 ところが、親族の家も火事…

作者：中山市朗｜角川文庫 木原との共著の新耳袋は面白くて、怖かった。 10巻でコンビを解消して、発表した「なまなりさん」は長編だが、非常にいい出来だった。 コンビの相方の木原は、コンスタントに怪談本を出しているが、あまりそそられない。 久々に、…

作者：津本陽｜幻冬舎文庫 太平洋戦争のインパール作戦を中心としたビルマの戦闘を描いた作品。 歴史小説で大家となった作者が、作家となる前に、先輩から聞いた話で構成されている。 アキャブや、インパール、フーコンと戦場の話が別々に描かれる。 ストー…

作者：永瀬隼介｜角川文庫 オウムの警察庁長官狙撃事件をモチーフにした作品。 空手四段の涼子は、上司との不倫の末、所轄に飛ばされてしまう。 痴漢のおとり捜査まで落ちぶれたが、キャリアの鎮目が新しく作る部署に呼ばれる。 そこは、警察官の不正を暴く…

東京に出てきて、靖国神社のすぐ近くに住んだ。 ネガティブなイメージは元からなかったので、時々参拝した。 戦争で死んだ日本の軍人を祀っている。戦死した日本人を祀って何が悪いのか。 たぶん、東京裁判で戦犯に指定された軍人も祀られているからだ。 そ…

作者：葉室麟｜実業之日本社文庫 平安時代の刀伊入寇に立ち向かった藤原隆家を描いた作品。 百鬼夜行や、安倍晴明との出会いなど、伝奇小説の趣があり、作者にしては意外。 また、藤原道長との確執で、一族が干されるところは、歴史の勉強の再確認となった。…

作者：塩田武士｜講談社文庫 神戸新報の記者の秋葉は、警察担当から外され、文化部に異動になる。 腐ってしまった秋葉は、女流棋士の対戦を観戦するが、やる気が出ない。 なじみの居酒屋で、タンクトップの坊主頭と乱闘騒ぎを起こす。 その坊主頭は、アマチ…

作者：新野剛志｜新潮文庫 武闘派のヤクザの山根は、組長から新たなシノギとして、旅行代理店の経営を任される。 だが、実態は韓国スリ団の宿の手配。プライドを傷つけられた山根はやる気が出ない。 従業員は表のオーナー、山根の舎弟のアフロパーマ、韓国ス…

安藤も加藤も福原も歳が行き過ぎだ。 泥縄式に先発以外のピッチャーをつぎ込む首脳陣も馬鹿としか思えない。 まあ、今のうちに適性を見極めようとしているのだろうが、なかなかむつかしい。 金田、二神、伊藤、玉置、筒井、そういえば久保田ってどうしたんだ…

作者：小杉健治｜集英社文庫 文庫本裏書 派遣社員の川原光揮33歳が、上司の田丸祐介と同僚の西名はるか殺害容疑で逮捕された。 川原は犯行を否認するが、アリバイがない。 無実を信じる鶴見弁護士は、川原の故郷・小倉で調査を開始。 すると、彼は5年前にあ…

作者：池井戸潤｜講談社文庫 文庫本裏書 大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。 リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。 かつての名門チームも、今やエースが不在で崩壊寸前。 廃部すればコストは浮くが…

作者：久保寺健彦｜集英社文庫 28歳の沢田は、民間の人材会社を退職し、ハローワーク宮台で嘱託として働き始めた。 就職相談員の沢田のもとには、癖のある人物が相談にやってくる。 68歳の元配管工の波多野は、経験もないのに事務職を希望するが、一向に職は…

作者：誉田哲也｜双葉社 北九州監禁虐殺事件をベースにしたミステリ。 虐待された女子高生が、保護を求め、警察に駆け込んできた。 足の爪ははがされ、あちこちにやけどをしていた。 警察は保護した女子高生の摩耶の証言をもとに、監禁されていたと思われる…

作者：富樫倫太郎｜中公文庫 江戸で薬の行商を営む甚八は、町娘のおるいに所帯を持ちたいと持ちかける。 だが、甚八は阿修羅の仁兵衛を頭目とする盗賊団の一味だった。 さらに、おるいは仁兵衛の娘で、先行きは明るくなかった。 仁兵衛は、大店の大和屋に１…

作者：誉田哲也｜文春文庫 80年代に中学生だったワタルは、音楽に目覚め、バンドを結成する。 文化祭で成功したが、ボーカルのレイジは脱退をしてしまう。 ワタルはバンドという仲間で盛り上がりたかった。 高校、大学とベースを続け、レコードデビューに手…