青い約束

作者:田村優之|ポプラ文庫
高校時代、ボクシング部で親友同士だった修一と有賀。
修一の彼女の自殺という事件で、有賀と修復不可能な関係となる。
有賀は高校を中退。修一は一浪後、関西の国立大学へ。
修一は金融機関に就職し、20年後、アナリストとして活躍していた。
財務省に取材に出かけた際、新聞記者となった有賀と出会う。
わだかまりは残っていたが、再び歩み寄る。
銀行を守るために、国民を無視した政策に修一は疑問を投げかける。
有賀がその内容を記事にし、修一は社内で苦しい立場に立たされる。
有賀は修一をバックアップするが、すでに死の病に侵されていた。

有賀は幼い子供と妻を残し、あの世へ旅立っていった。
死後、修一に有賀からの手紙が届く。修一の彼女の自殺の真相が綴られていた。
彼女の苦しみ、修一への友情への板挟みになった有賀は、一人悪者となっていた。
大きな喪失感にとらわれた修一は、会社に見切りをつける。


青春時代の謎、金融行政への怒り、ボクシングへの純粋なあこがれ。
とてもわかりやすい話だ。中年男の青臭さも鼻につかない。
青春小説かつ経済小説というミスマッチだが面白かった。


([た]6-1)青い約束 (ポプラ文庫)

([た]6-1)青い約束 (ポプラ文庫)