2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

螺旋階段

作者:山本譲司|光文社 単行本オビ 大手総合デベロッパーの部長職にある阿子島洋介は、決して何か大きな幸せを摑んでいるわけではない。 かといって、絶望的な苦悩を抱えているわけでもない。 そんな変哲もない人生かもしれないが、ここのところは毎日、充…

維新の肖像

作者:安部龍太郎|潮出版社 単行本オビ 明治維新によって日本が失ったものとは――戊辰戦争を二本松藩士として戦った父・朝河正澄と 太平洋戦争へと突き進む祖国に警鐘を鳴らし続けた子・朝河貫一 朝河父子の生き様から現代日本の病根を探る。 1932年米国…

衣更月家の一族

作者:深木章子|講談社文庫 文庫本裏書 別居中の妻の潜伏先を察知した男が、応対に出た姉のほうを撲殺―― 110番通報の時点では単純な事件と思われた。 だが犯人が直接目撃されていないうえ、被害者の夫には別の家庭があった。 強欲と憤怒に目がくらんだ人間…

七十歳死亡法案、可決

作者:垣谷美雨|幻冬舎文庫 文庫本裏書 高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。 施行まで二年、宝田東洋子は喜びを嚙み締めていた。 我儘放題の義母の介護に追われた十五年間。 能天気な夫、引きこもりの息子、無関…

夢を売る男

作者:百田尚樹|幻冬舎文庫 文庫本裏書 輝かしい自分史を残したい団塊世代の男。 スティーブ・ジョブズに憧れるフリーター。 自慢の教育論を発表したい主婦。 本の出版を夢見る彼らに丸栄社の敏腕編集長・牛河原は「いつもの提案」を持ちかける。 「現代で…

虚像の道化師

作者:東野圭吾|文春文庫 文庫本裏書 ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。 男は何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りた様子だったが、教祖は自分が念を送って落としたと自首してきた。 教祖は本当にその力を持っているのか、そし…

三匹のおっさん ふたたび

作者:有川浩|新潮文庫 文庫本裏書 剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、危ない頭脳派ノリ。 あの三人が帰ってきた! 書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火……。 ご町内の悪を正すため、ふたたび“三匹”が立ち上がる。 清田家の嫁は金銭トラブルに…

南青山骨董通り探偵社

作者:五十嵐貴久|光文社文庫 文庫本裏書 大手企業に就職したものの、うだつの上がらない日々に塞ぐ井上雅也。 ある日、南青山骨董通り探偵社の社長・金城から突然話しかけられた。 「探偵になる気はありませんか?」。 雅也は訝しみながらも体験入社をする…

ゼロの迎撃

作者:安生正|宝島社文庫 文庫本裏書 活発化した梅雨前線の影響で大雨が続く東京を、突如謎のテロ組織が攻撃する。 自衛隊総合情報部所属の情報官・真下は、テロ組織を率いている人物の居場所を突き止めるべく奔走するが……。 核が持ち込まれたという情報に…

キャプテンサンダーボルト

作者:阿部和重・伊坂幸太郎|文藝春秋 Amazonの内容紹介 人生に大逆転はあるのか?小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。 二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、 それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫ってい…

闇の伴走者

作者:長崎尚志|新潮文庫 文庫本裏書 元警察官の“探偵”水野優希がコンビを組んだのは、容貌魁偉、博覧強記、かつとても感じの悪いフリー編集者・醍醐真司だった。 巨匠漫画家のスタジオに残されていた、未発表作品の謎の解明を依頼されたのだ。 やがて、こ…

あい

作者:高田郁|ハルキ文庫 文庫本裏書 上総の貧しい農村に生まれたあいは、糸紡ぎの上手な愛らしい少女だった。 十八歳になったあいは、運命の糸に導かれるようにして、ひとりの男と結ばれる。 男の名は、関寛斎。 苦労の末に医師となった寛斎は、戊辰戦争で…

清正を破った男

作者:矢野隆|講談社文庫 文庫本裏書 武士が武士として生きた最後の時代、安土桃山。 最愛の妻と息子を守る為、居城を捨てる生き恥をさらしながらも、天草に落ち延びた肥後の豪族・木山弾正。 彼はそこで、武勲を打ち立てる事のみを生きがいとする加藤清正…

七帝柔道記

作者:増田俊也|角川書店 単行本オビ 「七帝柔道」という寝技中心の柔道に憧れ、二浪の末、北海道大学に入学した。 しかし、柔道部はかつて誇った栄光から遠ざかり、大会でも最下位を続けるどん底の状態だった。 他の一般学生が恋に趣味に大学生活を満喫す…

神の子(上・下)

作者:薬丸岳|光文社 単行本オビ 殺人事件の容疑者として逮捕された少年には、戸籍がなかった。 十八歳くらいだと推定され、「町田博史」と名付けられた少年は、少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録する。 法務教官の内藤は、町田が何を考えているか読…

妻と飛んだ特攻兵

作者:豊田正義|角川文庫 文庫本裏書 「女が乗っているぞ!」その声が上空を旋回する十一機まで届くことはなかった。 白いワンピース姿の女性を乗せた機体を操縦していたのは谷藤徹夫少尉(当時二十二歳)、女性は妻の朝子(当時二十四歳)だった。 一九四五年八…