衣更月家の一族

作者:深木章子|講談社文庫
文庫本裏書
別居中の妻の潜伏先を察知した男が、応対に出た姉のほうを撲殺――
110番通報の時点では単純な事件と思われた。
だが犯人が直接目撃されていないうえ、被害者の夫には別の家庭があった。
強欲と憤怒に目がくらんだ人間たちが堕ちていく凄まじい罪の地獄。
因業に満ちた世界を描ききった傑作ミステリー!


プロローグから始まり、4つの章を経て、エピローグに繋がる。
「廣田家の殺人」では、夫と別居中優子は、義弟のDVから逃れるため非難してきた妹を匿う。
だが、自宅で義弟に殺害されてしまう。捕まった義弟は正当防衛を主張するが。
「楠原家の殺人」では、宝くじを当てた楠原雄哉は、仕事を辞めるが、謎の死を遂げる。
同棲相手の木村麻紀は、親友のマンタに死体の処理を頼むが、意外なところから脅迫者が現れる。
「鷹尾家の殺人」では、別居中の夫婦が派手な夫婦喧嘩をし、階段から転落するのを目撃した息子の耕介。
両親の借金を返済するため、詐欺の片棒を担ぐことになるが。
最終話の「衣更月家の一族」で、3つの章がつながっていることがわかる。
非常に鮮やかな結末で面白かった。


衣更月家の一族 (講談社文庫)

衣更月家の一族 (講談社文庫)