2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

烈風のレクイエム

作者:熊谷達也|新潮社 昭和9年。函館で潜水夫の会社を経営する泊敬介は函館大火災に遭遇する。 火に追われ、避難をする途中、溺れかかった女性と子供を救出する。 火がおさまり、夜が明けると函館の街はほぼ全焼だった。 敬介は妻子と母親を探すが、母親の…

ジューン・ブラッド

作者:福澤徹三|幻冬舎 ヤクザの梶沼は、抗争相手の組長の射殺を命じられる。 4人で襲撃するが失敗。ところが相手組長は何故か死体で発見される。 梶沼は身内にはめられたことを悟り、逃げることにした。 デリヘル嬢の里奈をつれ、東京を離れ、名古屋で引き…

虚けの舞

作者:伊東潤|講談社文庫 天下人となった豊臣秀吉は、朝鮮出兵に備え、肥前名護屋に城を築いた。 そこに呼ばれた織田信雄と北条氏規。 織田信雄は信長の息子で、小田原の陣で秀吉の勘気を受け、放浪の身となっていた。 北条氏規も北条家滅亡の後、何とか生…

そっと覗いてみてごらん

作者:明野照葉|光文社文庫 文具メーカーで働く石屈日和。 30歳独身だが、創業者の孫という立場で、親族のバックアップもある。 三鷹の広々としたマンションに援助を受けて住んでいた。 職場でも責任のある立場ではなく、のほほんと過ごしている。 そんな日…

ボストンの爆破事件

今のところは、死者が3人と聞いている。 大統領のオバマはテロと断定し、ボストンの葬儀で演説。 死者の数がしょぼいと言っては不謹慎なのだが、一国の大統領が声明を出すほどの事件か? 単なる国内のテロだったら、どういう動きになるのだろうな? 銃器の規…

バンド臨終図鑑

作者:共著|河出書房新社 海外と日本のバンド200組の解散理由を取り上げている。 なかなか興味深い内容だった。 1961年から2009年まで、年代順に取り上げ、内外混合で記事は進む。 ビートルズやツェッペリンなど海外のアーティストは既知の内容が多かった。…

傭兵代理店

作者:渡辺裕之|祥伝社文庫 冤罪を着せられ、刑事を辞め、10年以上、傭兵として生きてきた藤堂。 刑事を追われるきっかけとなった一家皆殺し事件は、時効を迎えていた。 藤堂は日本にある傭兵代理店に訪れ、かつての事件現場に足を向ける。 そこに刺客が現…

家族トランプ

作者:明野照葉|実業の日本車文庫 仕事は適当、恋人は妥協、33歳の風見窓子は、父母から3年以内に出ていけと言われる。 要するに結婚して、家庭を持って、老いた両親を安心させてほしいとのこと。 SNSで知り合って、なんとなく好い中の男と食事をしていると…

隻眼の少女

作者:麻耶雄嵩|文春文庫 1985年冬、大学生の静馬は、山深い寒村で、旧家の殺人事件に巻き込まれる。 容疑者にされた静馬だが、隻眼の少女探偵みかげに救われる。 みかげは水干に赤袴という巫女のような衣装で、静馬は助手を命じられる。 みかげは、謎を一…

死刑 究極の罰の真実

作者:読売新聞社会部|中公文庫 2008年から2009年に連載された記事を文庫化。 冒頭、宮崎勤の死刑執行の様子から描かれ、宅間守が死刑台に引き出されるときにためらいの様子があったことが書かれている。 死刑囚だけではなく、そこに携わる看守や教誨師の苦…

ノーバディノウズ

作者:本城雅人|文春文庫 文庫本裏書 メジャーを代表する東洋系スラッガー、”ジャスティン・キング”。 大都市球団へのトレードを拒み続ける彼の正体を探る者たちが姿を消す。 最後に日本の新聞記者が辿り着いた驚愕の真実とは。 パワフルかつ緊迫の展開でラ…

竜の涙

作者:柴田よしき|祥伝社文庫 東京の丸の内でひっそりとした和食屋を営む女将と、その周辺を描いた連作集。 ミステリだが、食材を中心に置いているので、ふんわりとした感じだ。 料理のうんちくもいい感じで披露され、嫌味はない。 1作目の「ふたたびの虹」…