繚乱

作者:黒川博行|角川文庫
文庫本裏書
ともに大阪府警を追われた、かつてのマル暴担コンビ、堀内と伊達。
競売専門の不動産会社に調査員として働く伊達は、ある日、出張で訪れた東京で、かつての相棒でいまは無職の堀内を同業に誘い、二人は大阪に戻る。
調査物件は敷地900坪の巨大パチンコ店「ニューパルテノン」。
だが調べるほどに、裏で極道や半堅気、警察OBらが寄ってたかって食いものにしている実態が浮かぶ。
「パルテノンは金の生る木や」、気づいた二人は…。
策略と暴力がからみあい、腐れのスパイラルはノンストップで奈落に向かう。
名コンビ復活。ふたたび、大阪を縦横無尽に疾駆する。黒川警察小説の真骨頂。


前作で失職した堀内と伊達は、不動産の調査員となり、怪しげなパチンコ屋の調査をする。
金の匂いに敏感な二人だが、真実を知ろうとする姿勢は刑事時代から変わらない。
武闘派の伊達と頭脳派の堀内のコンビは、次第に真相に迫っていく。
悪い人間しか出てこないピカレスクロマン。こういう作品はあまりなく、面白かった。