2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

狭小住宅

作者:新庄耕|集英社文庫 文庫本裏書 学歴も経験も関係ない。 すべての評価はどれだけ家を売ったかだけ。 大学を卒業して松尾が入社したのは不動産会社。 そこは、きついノルマとプレッシャー、過酷な歩合給、挨拶がわりの暴力が日常の世界だった。 物件案…

ギフテッド

作者:山田宗樹|幻冬舎 単行本オビ アメリカ合衆国に住む13才の少年の体内に“未知の臓器”が見つかった。 以後、同様の臓器をもつ子供たちの存在が、世界各地で確認される。 いつしか彼らは、羨望と畏れを込めて「ギフテッド」と呼ばれるようになった。 当初…

私に似た人

作者:貫井徳郎|朝日新聞出版 単行本オビ 小規模なテロが頻発するようになった日本。 ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命を投げ打って冷たい社会に抵抗する《レジスタンス》と称していた。 彼らはいわゆる貧困…

絶叫

作者:葉真中顕|光文社 国分寺薯の刑事・綾乃は、通報により、マンションで遺体と直面する。 死亡していたのは40歳くらいの鈴木陽子と思われた。 死後、多頭飼いしていた猫に遺体を食い荒らされていたが、事件性は低いと思われた。 だが、綾乃は陽子の過去…

友罪

作者:薬丸岳|集英社 単行本オビ 寮付きの町工場で働きはじめた益田純一は、同日入社の鈴木秀人という男と出会う。 鈴木は無口で暗く同僚に敬遠されるが、同い年の益田とだけは徐々に打ち解けあっていく。 ある日、益田は昔の恋人から、14年前に郷里で起き…

闇に香る嘘

作者:下村敦史|講談社 単行本オビ 村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。 和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。 中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明して…

リバース

作者:相場英雄|双葉社 単行本オビ 警視庁捜査二課から所轄に異動した西澤は、書店で万引きをした老婦人を取調べた。 身なりもよく教養溢れる彼女は、なぜ万引きをしたのか。 そこには、深い事情があった…。 大震災と原発事故。 そして、「福島にはカネが埋…

漏洩 素行調査官

作者:笹本稜平|光文社文庫 文庫本裏書 株のインサイダー取引事件を捜査していたベテラン刑事・戸田が、突然の解任辞令を受け退職に追い込まれた。 疑惑をかけられたまま病に倒れた戸田。 彼を慕う元部下の沢井は、事件の背後に暗躍する警察上層部の黒い人…

作者:犬飼六岐|講談社文庫 文庫本裏書 尾張藩の江戸下屋敷に実在した「御町屋」と呼ばれる宿場町。 この町では、赤の他人が見せかけの夫婦として割り振られた家に住まわされ、仮の商いを営み、藩主が遊覧するときだけ立ち退かなければならなかった。 御町…

ナミヤ雑貨店の奇跡

作者:東野圭吾|角川文庫 文庫本裏書 悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。 そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。 廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。 時空を超えて過去から投函されたのか…

散り椿

作者:葉室麟|角川文庫 文庫本裏書 かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。 18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘…

傷だらけの拳 道場Ⅱ

作者:永瀬隼介|角川文庫 文庫本裏書 かつて実戦空手の最高峰「無双塾」で鍛練に励んだ藤堂忠之。 先輩から預かった貧乏道場の再建を目指すものの、お人好しな性格も相まって、いつもトラブルの矢面に立たされることに。 暴力団に追われる空手家、武力行使…

あなたの本

作者:誉田哲也|中公文庫 文庫本裏書 父の書斎で見つけた奇妙な本。 『あなたの本』と題されたそれを開くと、自分の誕生から現在までが一つ違わず記されていた。 このまま読み進めれば、未来までもわかってしまうのか。 その先をめくるか否か、悩みぬいた男…

北天蒼星

作者:伊東潤|角川文庫 文庫本裏書 関東の覇者・北条氏康の七男に生まれ、幼少期を箱根権現で過ごした三郎は、越相同盟の証として上杉謙信の養子となる。 謙信から初名「景虎」を受け継ぎ、越後、相模・甲州の平和という理想を抱くが、覇権を争う三国間での…

ワン・モア

作者:桜木紫乃|角川文庫 文庫本裏書 安楽死事件を起こして離島にとばされてきた女医の美和と、オリンピック予選の大舞台から転落した元競泳選手の昴。 月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って躰を重ねる男と女は、まるで夜の海に漂うくらげー。 同じ頃…

星がひとつほしいとの祈り

作者:原田マハ|実業之日本社文庫 文庫本裏書 売れっ子コピーライターの文香は、出張後に寄った道後温泉の宿でマッサージ師の老女と出会う。 盲目のその人は上品な言葉遣いで、戦時中の令嬢だった自らの悲恋、献身的な女中との交流を語り始め…(「星がひとつ…