2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2011年 今年面白かった本

今年は少しそそられる本が少なかったように思う。 よって、単行本はあまり買わなかった。 池井戸潤の面白さを再認識したし、石田衣良の「池袋ウエストゲートパーク」はよかった。単行本 ジェノサイド 作者:高野和明 東京難民 作者:福澤徹三 文庫本・新書本…

震災後  こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか

作者:福井晴敏|小学館 東日本大震災後の東京に住む家族の物語。 野田家はサラリーマンの父、パートの母、中学生の息子と小学生の娘、自衛隊を退官した祖父の5人暮らし。 震災の日は父の帰宅が多少困難になったものの、家族の安否は早めに取れて、被害はな…

作者:綱淵謙錠|文春文庫 昭和47年に直木賞を受賞した作品。 江戸時代の斬首を生業とした山田浅右衛門一族の幕末以降の没落を描いている。 元禄時代から200年間斬首を行ってきた山田一族は、武士ではなく浪人の身分で職を遂行していた。 斬首以外に、刀の試…

或るろくでなしの死

作者:平山夢明|角川書店 東京伝説や超怖い話など、異色のホラーを書く作家のオリジナル短編集。 「或るはぐれ者の死」は道端で見つけた子供の死体をホームレス以外は気にもしない話。 「或る嫌われ者の死」は核爆発で激減した日本人を救おうとするレスキュ…

第四の闇

作者:香納諒一|光文社文庫 編集者の新田の妻はデザイナーだったが、交通事故で顔と腕に重い火傷を負った。 その後、妻はインターネットの自殺サークルの書き込みで自殺した。 新田は妻の悲しい事故を思い、自暴自棄となり、アルコール依存症になる。 冒頭…

化身

作者:宮ノ川顕|角川ホラー文庫 第16回日本ホラー大賞受賞作。3つの中編を収録。 「化身」は大賞の受賞作品。 日本に倦んだ男性が、一人で南の島に旅行に行き、ジャングルを散策中に池に転落する。 その池は地上から10メートルほど垂直に落ち込んでおり、自…

「極」怖い話 遺託

作者:加藤一|竹書房ホラー文庫 日航ジャンボ墜落事故にまつわる怪談から始まり、戦争にまつわる怪談が続く。 最後は老婆の呪いが連鎖するという中編で、いずれもオリジナリティに満ちている。 この作者の「弩」怖い話2 Home Sweet Homeは異様な怖さに満ち…

殺人鬼フジコの衝動

作者:真梨幸子|徳間文庫 小学生のフジコは、家では虐待され、学校ではいじめられていた。 ある日、フジコを除く家族が殺害される事件が発生する。フジコは叔母夫婦に引き取られる。 犯人は見つからず、あるジャーナリストは小学生のフジコが殺したのではな…

産地表示

近くのスーパーは今まで産地表示をきちんとしていた。 ところが今日は、ハラミとタンは「国内産」となっていた。 今まで産地表示されていたのに、これは何となく不安だ。 肉を食べたい気分で、美味しそうだったので、買うことにした。 国内のどこの肉か疑問…

MIST

作者:池井戸潤|双葉文庫 中部地方の標高500メートルののどかな田舎町で、交番勤務する五郎。 彼は近くの中学の教師の菜月に惚れていたが、なかなか距離は縮まらない。 そんな町で一人の経営者が死体で発見される。自殺か、他殺か? 小さな町には街金の怪し…

それからの三国志(上・下)

作者:内田重久|文芸社文庫 三国志演義は色んな訳があり、国内の作家のものは孔明が死んだところで終わりのモノが多い。 実際の三国志演義は蜀が滅亡し、晋が魏を乗っ取り、呉を滅ぼすまでの30年間まで続く。 横山光輝の漫画も孔明の後はあっさりと終わらせ…

とんび

作者:重松清|角川文庫 昭和30年代の瀬戸内の風景から物語が始まる。 トラック運転手のヤスさんは、初めての子供が生まれることで気もそぞろ。 男の子が生まれ、ヤスさんは妻と子供のために懸命に働くことを誓う。 だが、幸せは長続きせず、妻を不幸な事故…

未解決 封印された五つの捜査報告

作者:一橋文哉|新潮文庫 未だに真相のはっきりしない事件に対して、核心に迫ろうとしたルポ。 1.住友銀行名古屋支店長射殺事件。犯人は捕まっているが、胡散臭い事件だった。 2.八王子スーパー強盗殺害事件。オウムのテロの直後の3人殺傷事件。犯人は…

今年の世相を漢字1文字で表すと「絆」とのこと。 何でこんな言葉になったのか、あまり納得できないな。 震災があっても「絆」だけは壊れなかったと表現したいのかもしれないが。 世相を表すのなら「災」か「壊」がだろう。 拠り所を求めたいのかもしれないが…

古着屋総兵衛影始末 一 死闘

作者:佐伯泰英|新潮文庫 徳川家康が江戸入りした時に、夜盗をしていた鳶沢は家康に命じられ、江戸の治安を保持する。 その後、鳶沢家は古着屋の元締めとなり、何かあった時に、幕府を助ける役目を申しつけられる。 初代の鳶沢から、元禄時代は6代目となっ…

バベルの末裔

2020年の日本。 大手通信会社に研究員として働く敷島は、意識を持つコンピュータを作りあげた。 敷島は東大を出て、その後、米国の大学で様々な学問を学んだ。 彼を知る人は「天才」だというが、論文を出すわけではなく、無名の存在だった。 彼が、意識を学…

人手は足りている

テクノロジーの進化は今までシェアしていた誰かとの仕事を奪っている。 停滞する経済の中で、情報通信の技術だけが進んでいる。 WEBに関する技術はインターネットで調べると、解答はたやすく見つかる。 仕事のボリュームは増える一方だが、自分一人でも対処…

鉄の骨

作者:池井戸潤|講談社文庫 吉川英治文学新人賞受賞作。 平太は東京の大学を出て、中堅ゼネコンで働いている。 学生時代から付き合い始めた彼女の萌は大手都銀に勤めていて、話題が合わなくなっている。 平太は現場で働いていたが、業務課への異動となり、…

イナリの野球流儀

WEB

八尾フレンド、PL学園、中央大学で野球をしてきた人のサイト。 アマチュア野球に集中して丁寧に書かれ、100話以上あるが、読みやすい。 福留と同期なので、甲子園の出場経験もあり、その話しも臨場感があるが、練習のエピソードがいい。 また、大学に進ん…

女子

女子力とか女子会という言葉に気持ちの悪さを感じる。 高校生や大学生までならその言葉は使ってもいい。 でも、社会人になってまでその言葉はおかしいと思うな。 30歳を過ぎた女性が自分たちをそのように呼ぶのは自分が幼稚なのを認めているのか? 若く見ら…

横浜DeNA

TBSから球団譲渡を受けたが、GMと監督の人事を見ていると、先行きは暗そう。 監督としては巨人の貯金箱だった高田がGMで、選手として浪人をしている中年の工藤を監督。 新参者で、人脈がなかったのだろうが、これで決まるとすれば、横浜も明るい未来はな…

架空通貨

作者:池井戸潤|講談社文庫 商社を退職し、高校教師となった辛島は、教え子の真紀から悩みを打ち明けられる。 父親の会社が1回目の不渡りを出し、会社の存続が危ういという。 真紀の会社の財務状況を見た辛島は、高額な社債を引き受けていることに疑問を持…