震災後  こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか

作者:福井晴敏小学館
東日本大震災後の東京に住む家族の物語。
野田家はサラリーマンの父、パートの母、中学生の息子と小学生の娘、自衛隊を退官した祖父の5人暮らし。
震災の日は父の帰宅が多少困難になったものの、家族の安否は早めに取れて、被害はなかった。
だが、頻繁する余震、原発事故、輪番停電で、野田家には暗い影が差してくる。
一番影響を受けたのは、中学生の息子で、祖父と相談した父は、家族そろって気仙沼にボランティアに行く。
ボランティアに参加することで、息子は目的を見出すが、被災地を離れたくないという。
無理やりに連れて帰ってきたが、息子は「フクシマベイビー」という奇形児の合成画像をネットで流すことに加担してしまう。
福島の市民団体が刑事告発し、息子は補導される対象となってしまった。
ところが祖父の部下の自衛官が、表に出ないよう配慮をしてくれた。
だが祖父のアドバイスで、息子は母親に連れられ、警察に出頭する。
祖父は自衛隊で表に出ない仕事をしており、各所に人脈を持っていた。
その祖父も癌で余命いくばくもないことが発覚し、父は息子を救うために何ができるか考え始める。
父は息子の通う中学校で講演を行うことを決意する。


イムリーで、未来に夢を与えるような講演で締めくくられるが、話としては平凡。


震災後

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