隻眼の少女

作者:麻耶雄嵩|文春文庫
1985年冬、大学生の静馬は、山深い寒村で、旧家の殺人事件に巻き込まれる。
容疑者にされた静馬だが、隻眼の少女探偵みかげに救われる。
みかげは水干に赤袴という巫女のような衣装で、静馬は助手を命じられる。
みかげは、謎を一つずつ解き明かし、犯人に迫るが、さらに殺人が続く。
ようやく真犯人を探り当てたものの、炎に包まれ、死亡してしまう。


それから18年が経ち、静馬は事件の舞台となった村で、みかげと遭遇する。
みかげはまったく歳をとっておらず、静馬は戸惑うが、18年前のみかげの娘だという。
二人が遭遇したのと同時に、新たに発生した殺人事件。
18年前をなぞるかのように、殺人が続く。


村の絶対的信仰のスガル様を中心に置いた、新本格モノ。
日本推理作家賞と本格ミステリ大賞のダブル受賞作だが、あまりのめりこめなかった。
設定はいい。でも、事件の謎がそんなに魅力的ではない。
時代設定をうまく利用した京極夏彦は、目の付け所が違う。


隻眼の少女 (文春文庫)

隻眼の少女 (文春文庫)