鬼畜の家

作者:深木章子|講談社文庫
新宿で個人医院を経営する北川秀彦が、死体で見つかる。
友人の医師の木島は、北川の妻の郁江の依頼を受け、死因を操作する。
保険金を満額受け取った郁江は、末っ子の由紀名を夫の親族に養子に出す。
ところが、親族の家も火事で夫婦は焼死し、由紀名は親族の土地を相続する。
後見人となった郁江は、親族の土地を売り払ってしまう。
保険金で裕福な暮らしをしていた郁江には子供が3人いた。
長男の秀一郎と次女の由紀名は引きこもり。
長女の亜矢名だけは優等生で、理系の大学の神学が決まっていた。
だが、新しく住んだマンションで転落死を遂げる。
郁江はマンションの持ち主を恐喝し、さらに慰謝料を得る。
ところが、慰謝料を買った鎌倉の家の近くで、郁江は秀一郎と車で海に飛び込んでしまう。


鬼畜のような郁江の行動を様々な人の証言で浮かび上がらせる手法で話は進む。
残された由紀名の告白で、郁江の家族の様子が明らかになる。
二転三転するストーリーは面白いし、新人作家にしては構成力は高い。
でも、途中でプロットがわかってしまった。悪くないけど、この時点で冷めた。


鬼畜の家 (講談社文庫)

鬼畜の家 (講談社文庫)