新耳袋 ノブヒロさん

作者:加藤淳也|メディアファクトリー
新耳袋」の第7夜に収録されていた作品のリメイク。
ノブヒロさんという画家に出会った悦子は、いつしか彼に惹かれていく。
ただ、時々出てくる言動に不気味なものを感じていた。
自分はかつて心中に失敗して、木にぶら下がったまま朽ち果てた男の生まれ変わりだと。
彼の絵のモデルを引き受けたのだが、描いている内容は決して見せない。
ある日、彼はもうじき死ぬと言い出した。
冗談だろうと思っていたら、警察から電話があり、ノブヒロさんが死んだという。
かなりひどい死体の状況だったが、自殺ということで処理された。
その前後から、悦子の周りには不思議な現象が起きはじめる。
複数の人が、ノブヒロさんの姿を目撃し、徐々に悦子に近づいてくる。
読み終わった後、改めてオリジナルを読んだが、淡々とした本家がやはり良い。
この本も恐怖感を増す表現がたくさん追加されているけど、過剰になってはダメだ。
移動中などの時間つぶしにはもってこいだけど。