東京湾景

作者:吉田修一新潮文庫
品川の倉庫で働く亮介は、出会い系サイトで涼子と知り合う。
羽田空港からモノレールに乗った二人だが、進展の無いままに別れた。
その後、真理と親しくなった亮介だったが、涼子のことが忘れられない。
お台場で働くOLと対岸の倉庫街で働く男のラブストーリー。
虚無的な亮介と、自分を偽りながら、いつしか亮介に惹かれる涼子。
海辺を舞台にしているのに、妙に乾いた感じがするのがいい。
この人は妙にリアルな人物描写をする。そこが気に入っている。
芥川賞を受賞した「パークライフ」は、つまらないと思うが、それ以外の小説は面白い。