阪急電車

作者:有川浩幻冬舎
阪急今津線の8駅間ですれ違う人たちの人間模様を描いた連作集。
宝塚を発車した電車の中から話は始まる。
図書館でよく出会う女性から声をかけられた征志。
同僚に恋人を取られた結婚式に出席した翔子。
孫を連れ、犬を飼おうと思っている時江。
逆切れされた恋人に仁川駅で取り残されたミサ。
電車の中で社会人の彼氏とのバカ話を披露する女子高生の悦子。
同じ一般教養の科目を受講している女子生徒を見つけたオタクの圭一。
やがて終点の西宮北口に到着するが、圭一は女子生徒に話しかける。
電車は再び折り返し、宝塚に向かうが、登場人物のその後を綴っていく。
何気ない日常だけど、すごく平和な気持ちになる良い小説だ。短いのですぐに読める。
自分は甲東園にある大学に通っていたので、状況が目の前に浮かぶようだった。
もう久しく訪れていないけど、西宮北口門戸厄神、甲東園、仁川はどうなっているのだろう?
阪急電車は相変わらず小豆色なのだろうか?
大阪に戻る機会があれば、久々にキャンパスやその周辺に行ってみたくなった。

阪急電車

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