TVJ

作者:五十嵐貴久|文春文庫
テレビジャパンの経理部に勤める由紀子は、ディレクターの岡本からプロポーズされ有頂天だった。
テレビジャパンは古い社屋からお台場の新しい建物に移り、そのこけら落としで「72時間テレビ」をスタートさせた。
その最中、北朝鮮に雇われた傭兵部隊が現れ、テレビ局が選挙されてしまう。
少佐と名乗る体長は、新社屋を熟知しており、コンピュータルームを制圧し、建物を支配下に置いた。
さらに社長と72時間テレビのメインキャスターを人質にし、警察に要求を伝え始める。
由紀子は人質になる寸前に、逃げ出すが、少佐が建物の上部にロックをかけたため、地上に降りることが出来なくなる。
由紀子は人質になった婚約者を救うため、一人でテロリスト達に戦いを挑み始める。
この作家は1作ごとに異なる作風で、面白い小説を書いているが、これは初めてのハズレ。
文章は上手く、話の流れはよく出来ているのに、スリルが感じられない。
ホラーの傑作「リカ」がデビュー作だと思っていたが、実はこれが一番最初の作品らしい。
もし、この作品を最初に読んでいれば、その後、五十嵐貴久の本は手にとっていないだろう。
オビには「交渉人」より100倍面白いと書いているが、まったく逆だと思う。

TVJ (文春文庫)

TVJ (文春文庫)