塩の街

作者:有川浩|角川文庫
作者のデビュー作。
地球に隕石が落下し、日本は塩害にさらされるようになった。
人は、身体の末端から、塩に侵され、ポキリと折れるように死んでいく。
女子高生の真奈は、塩害で家族を失い、秋葉という青年と暮らしていた。
真奈は、群馬から海を目指す青年、刑務所を脱走した少年と出会う。
青年と少年の死を見届けた後、自衛隊の司令官を名乗る男に身柄を拘束される。
秋葉は自衛隊のエースパイロットで、塩害の中心となっている円柱の爆撃を要請される。


女子高生とエースパイロットの恋愛小説というライトノベルかと思わせた。
だが、冒頭の青年と少年の死が、シリアスに終末感を高めており、展開は上手い。
恋愛部分は、少し稚拙だが、ストーリーを損ねるものではない。
ただ、アニメの脚本を読んでいるような気分にもなった。


塩の街 (角川文庫)

塩の街 (角川文庫)