大仏破壊

作者:高木徹|文春文庫
タリバンによるバーミアン大仏破壊はなぜ起きたのか?
その半年後のアルカイダによる「9.11」テロとの関連を描いたルポ。
タリバンが勢力を伸ばした経緯と、ビンラディンがアフガンに及ぼした影響を克明に記述している。
世間知らずで、正義感に燃えたタリバンに、ビンラディンが近づき、アフガンは徐々に変わっていく。
アメリカをはじめとする先進国が、アフガンを忘れている間に、アフガンはテロの巣窟になる。
タリバンの知識派は、ビンラディンを排除しようとオマルに進言するが、オマルは取り込まれてしまう。
世界の目がアフガンに向いたのは、タリバンが「バーミアン大仏」を破壊すると声明したときだった。
忘れられたアフガニスタン情勢と、イマイチよくわからないタリバンの姿をわかりやすく解説している。
ビンラディンによって変容したオマルに逆らって、失脚するタリバン幹部の証言は生々しい。

ビンラディン、9・11へのプレリュード 大仏破壊 (文春文庫)

ビンラディン、9・11へのプレリュード 大仏破壊 (文春文庫)