ワルボロ

作者:ゲッツ板谷幻冬舎文庫
パチンコ雑誌で面白いコラムを書いていた筆者の自伝的小説。
舞台は70年代末の東京立川。優等生の道を踏み外す喧嘩から話は始まる。
立川3中のヤッコ、キャーム、小田嶋、ドッチン、メギチャンとつるむようになったコーちゃん。
同じ中学内の別の不良グループと対立し、その後は、他の中学との抗争に明け暮れるようになる。
作者であるコーちゃんはビビリだし、他の仲間もバカで、誇張された部分はない。
一方、朝鮮中や立川2中の不良たちの描写は迫力があり、コーちゃんたちは常に付けねらわれる。
コーちゃんは好きな女に振られ、仲間には家族に問題があったりして、グループの結束は強まる。
卒業式当日に2中の連中と対決するシーンがクライマックス。
500ページ近い作品だが、長さは感じず、すぐに読み終えた。
得意のギャグはすべり気味だが、これがリアリティを感じさせる。
立川の登場人物のプロフィールがわかったので、中学卒業後の話もぜひ読んでみたいと思う。

ワルボロ (幻冬舎文庫)

ワルボロ (幻冬舎文庫)