もぐら 闘

作者:矢月秀作|中公文庫
刑事を辞め、新宿で「もぐら」という異名で恐れられた影野が活躍するシリーズ5作目。
1作目で殺人を犯し、刑務所に入るが、超法規措置で「モール」と呼ばれる組織に組み入れられる。

本作はiPS細胞の開発にめぐる陰謀を暴く内容で、旬な内容になっている。
新宿のビル街で起きた爆破事件に「モール」の捜査が始まる。
影野は前作で重傷を負った恋人に付き添い、捜査には参加できなかった。
代わりに、上司の垣崎にアドバイスを送る。キャリアの垣崎は自分の手で手掛かりを探ろうとする。
地下格闘技に潜入し、かつて影野が接触した情報屋に接触に成功する。
一方、影野の恋人が入院する病院では、患者の失踪事件が発生していた。


垣崎と情報屋のやり取りがテーマになっており、ストーリーは面白かった。
ただ、設定や展開がちょっと安易だし、今回の犯人の造形とその結末はやっつけ感があった。
今のところ、退屈しない作品だけど、このテンションがいつまで続くか?


もぐら 闘 (中公文庫)

もぐら 闘 (中公文庫)