リターン
作者:五十嵐貴久|幻冬舎
ホラーの傑作「リカ」の続編。
10年前、本間というサラリーマンが、リカという女性に付きまとわれ、失踪した。
本間はリカに生きたまま目をえぐられ、鼻、耳、舌を切断されていた。
その惨状を目撃した刑事は発狂し、「リカ」は終わる。
結末は余りにも残酷で、非常によくできたホラー作品だった。
その後、作者はホラー以外のジャンルで、面白い作品を出している。
八王子の山で、トランクで遺棄された本間の死体が発見される。
10年前、リカに連れ去られた本間は、つい最近まで生きていた。
この事件を以前から捜査していたコールドケース捜査班の尚美と孝子は、捜査に加わる。
ところが、孝子の婚約者で、刑事の奥山が失踪し、行方不明となる。
尚美は孝子とともに奥山の自宅に向かうと、顔の器官を取り外されて、殺害されていた。
奥山の携帯に、リカとのやり取りを発見した二人は、リカを追い詰めるための作戦を開始する。
「リカ」の続編ということで、期待していたが内容はイマイチ。
「リカ」を読んでいなければ、終盤に尚美が追いつめられるシーンのスリルは抜群だ。
ただ、前作を読んでいると、同じ手口なので、新鮮味はない。
悪くはないのだけど、ホラーの続編って、前作を上回るのはむつかしいのだろうな。
- 作者: 五十嵐貴久
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/06/27
- メディア: 単行本
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