月と蟹

作者:道尾秀介|文春文庫
直木賞受賞作。
父の死後、母とともに海辺の町で、祖父と同居を始めた慎一。
転校生ということで、いじめにあうが、春也と親友になる。
ヤドカリを見つけ、二人は秘密めいた儀式を考え出す。
互いに望みを伝え合うが、慎一の望みがかなうようになる。
慎一は、春也が親から虐待を受けていることに気付く。
同時に母が不倫しているのでは、と疑いを持つ。
その相手はクラスメイトの鳴海の父親だった。
鳴海も父親の不倫に心を痛めていたが、慎一や春也と儀式に参加する。
3人だけの孤独な友情は、いつしか三角関係になる。
少年たちの心の痛みがストレートに伝わってくる。
生々しい悩みと痛みは、後味の悪い展開になるが、面白いだけが小説ではない。
と気付かされる作品だが、自分には合わない。


月と蟹 (文春文庫)

月と蟹 (文春文庫)