ロマンス

作者:柳広司|文春文庫
文庫本裏書
昭和初期の華族を描いたミステリ。
ロシア人の血を引く白皙の子爵・麻倉清彬は、友人の将校の多岐川嘉人に呼び出される。
上野のカフェーに赴くと、見知らぬ男が死体となっていた。
嘉人の窮地を救った清彬だが、戦争に突き進む世情は、華族に対して風当たりが強くなっていた。
その後、嘉人の妹が、共産主義に賛同した疑いで、特高に拘束される。
友人とその妹を救うため、清彬はテロに手を染めようとする。


暗い世相の中、特権階級を享受した青年を描いた悲劇。
雰囲気はあり、それなりに面白かった。


ロマンス (文春文庫)

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