もぐら 凱(上・下)

作者:矢月秀作|中公文庫
シリーズ7作目で、おそらく最終作。
刑事を辞め、モグラの異名をとるトラブルシューターの影野の活躍を描いている。
影野は警察を辞めた後も、モールという非正規部署にアドバイザーとして在籍。
警察では手出しできない政治家や、不良外国人を葬ってきた。
本作では、モールの精鋭メンバーが殺害されるところから始まる。
影野は沖縄に移住し、平和な生活を送っている。
だが、モールのメンバーで、影野の盟友でもある楢山も襲われる。
モールを標的にしているのは、日本国籍を持たない、残留外国人の子供たち。
親の国籍は中国だったり、南米系もいる。彼らを指揮するのは、中国青年の梁偉。
メンバーに合った格闘技を指導し、人望も厚い。
梁偉はモールのメンバー殺害の指示を出しているが、彼を操っている黒幕がいる。
中国人の武官と、日本の警察官僚。
沖縄在住の影野も梁偉たちに襲われ、反撃を開始。


時間つぶしには悪くないハードボイルド。
全部読んだが、多分こうなるだろうなという予想を裏切らない安定感。
ストーリーは陳腐だが、この手の読み捨て小説では王道を行っている。
続編のありそうな結末も、B級エンターテインメントのようだ。
この手のチープな作品は、毎日活字を追っていると、骨休めになる。


もぐら 凱 (上) (中公文庫)

もぐら 凱 (上) (中公文庫)