セオイ

作者:丈武琉|早川文庫
ちょっと不思議な感覚に陥るミステリー。
西新宿で、困った人たちを助ける稼業をしている鏡山と助手の美優。
彼らは依頼人のオーダーで、臨死体験を引き受けていた。
どうにもさっちも行かなくなって、電車に飛び込むしかない状況。
鏡山と美優はそんなクライアントの肩代わりし、臨死体験を代行している。
本当に死にたい人は事故でそのまま死亡、ためらいのある人には生き残る状況を作り出していた。
この稼業をセオイといい、いくつかの人生を救ってきた。
そんな二人に、敵対する勢力が現れる。
それは鏡山の兄だった。


荒唐無稽なミステリーだが、セオイという表題のシステムに説得力がある。
クライマックスから、パラレルワールドに着地する展開も悪くない。
続編に期待。


セオイ (ハヤカワ文庫JA)

セオイ (ハヤカワ文庫JA)