刑事の骨

作者:永瀬隼介|文春文庫
1993年に起きた幼児連続殺人事件。
現場の指揮を執っていた不破は犯人からの電話を受け、致命的なミスをする。
犯人を追いつめた田村も犯人を取り逃がしてしまう。
不破は出世レースから外され、17年後、スーパーで万引きの取り締まりをしていた。
同期の田村が訪ねてきて、17年前の犯人が判明しそうだと告げる。
やさぐれてしまった不破は田村の話には乗らなかった。
ところがその夜、田村は新宿の雑居ビルから転落死する。
田村はがんに侵されており、警察は自殺として処理する。
不破は田村の通夜で遺品のノートを入手し、田村の遺志を継ぐ。
17年前の被害者や目撃者に会い、真犯人に迫っていく。
真相に近づくにつれ、不破は警察から妨害を受けるようになる。
17年前の事件の裏には、警察のスキャンダルが隠されていた。


2部構成の作品で、1部は連続殺人犯を取り逃すシーンがスリリングだ。
第2部は不破が協力者を得て、真犯人に迫るまでのストーリーが面白い。
登場人物の配置も上手く、どんでん返しも鮮やか。
むなしさの残るラストだが、抜群に面白かった。


刑事の骨 (文春文庫)

刑事の骨 (文春文庫)