石の繭 警視庁殺人分析班

作者：麻見和史｜講談社文庫
東京・新橋の廃ビルで、モルタルで石膏のように固められた死体が見つかった。
被害者の身元が判明しないうちに、犯人と思われる人物から捜査本部に電話が入る。
電話を受けた女刑事の如月塔子は、事件の背景を探るため、メッセンジャーとなる。
第2の殺害予告は防げなかったが、被害者の身元が分かり、過去に起きた誘拐事件の関連が浮かぶ。

犯人は早いうちに判明するが、塔子の所属する捜査チームの活動内容が面白い。
塔子の同僚の刑事たちがそれぞれ癖がある。
百均マニア、帰国子女でナンパが大好き、ネットの掲示板で情報を収集。
そんなおかしなチームが、居酒屋で捜査談義をする型破りな展開。
ミステリとしては、意外な犯人の設定もよかった。
刑事たちのキャラが立っているので、シリーズになっている。
次作も読みたくなる内容で、人物造形もストーリー展開も上手い。

石の繭 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)