限界集落株式会社

作者:黒野伸一|小学館文庫
エリートサラリーマンの多岐川優は、退職し、ステップアップのために休暇を取った。
亡くなった祖父の家を整理するために、田舎に帰ることにした。
農地の整理や、土地の権利を処分するのが目的だった。
ところが、過疎の町に訪れると、近隣の老人がやってきて、溜まり場になる。
老人と子供しかいない限界集落
優は、過疎の町を農業で蘇らせようと考える。
この町でしかできない作物を作り、独自の流通を開拓しようと考える。
優は、就農労働に都会からやってきた若者3人を受け入れている農家に目をつける。
主人の正登は元タクシー会社勤務で、訳があって地元に戻ってきた。
実際の農業は、娘の美穂が仕切っていた。
美穂と衝突しながら、優は過疎地再生のプランを精力的に打ち出していく。
就農労働の3人は、土を耕すのに向いていないが、思わぬ特技で戦力になっていく。


衰退が避けられない田舎の再生を描いた希望の持てる作品で、面白かった。
優のチートすぎる企画力は漫画チックで、わくわくする。
一方で、正登と美穂の現実的な対応のギャップがいい。


限界集落株式会社 (小学館文庫)

限界集落株式会社 (小学館文庫)