いつか夜の終わりに

作者:高田侑|双葉文庫
ちょっと不思議な雰囲気の短編集。
「てのひらたけ」は山登りを好む青年が、きのこを口にすることで、異世界に陥る話。
時空を超えた結末は、ちょっと残酷だが、美しい。
「あの坂道をのぼれば」は、妻子を捨て、スナックの女に走った男の話。
転落した人生の終わりに、家に戻ろうとする話で、悲哀にあふれている。
タンポポの花のように」は幼い頃に父に捨てられた女性の話。
幸せとは言えない人生だったが、廃墟となった遊園地のラストは優しさを感じさせた。
「走馬灯」は失業中の男が、亡くなった父に思いを巡らせる話。


それぞれ、物悲しさがあり、面白かった。


いつか夜の終わりに (双葉文庫)

いつか夜の終わりに (双葉文庫)