2013-01-01から1年間の記事一覧

空の中

作者:有川浩|角川文庫 デビュー作「塩の街」に続く2作目。 ー文庫本裏書ー 200X年、謎の航空事故が相次ぎ、メーカーの担当者と自衛隊パイロットは調査のために高空に飛んだ。 高度2万、事故に共通するその空域で見つけた秘密とは? 一方地上では、子供たち…

凍花

作者:斉木香津|双葉文庫 三姉妹の長女の百合が、次女の梨花をアイロンで殴り殺した。 百合はデザイナーで自分の地位を固めつつあった。 梨花は誰からも好かれる性格で、宝石店で働いていた。 三女の柚香は大学生で、二人の姉を自慢していたので、ショック…

沈黙の檻

作者:堂場瞬一|中公文庫 東京に近い地方都市で起きた殺人事件。 運送会社の経営者が殺害され、犯人は捕まらないまま時効となった。 ところが、別の事件で服役していた男が、メディアに罪を告白する。 17年前の殺人事件の首謀者は、現在の社長だと。 いまさ…

原発再開の前に責任は?

柏崎の原発を再開するよう、圧力をかけている自民党議員たち。 再開するのは結構だが、何かあった時に責任はとるのだろうな。 住民票は選挙区に置いて、一族郎党引き連れて、柏崎のそばに移住しろよ。 責任は取らずに、国益を考えてなんて、誰でも言える。 …

D1 警視庁暗殺部

作者:矢月秀作|祥伝社文庫 法で裁けない悪人を、秘密裡に処分するD1(暗殺部)。 リーダーは、元警官の周藤。射撃の腕はオリンピック級だった。 彼は、強姦され自殺した妹の復讐のため、加害者の高校生3人を射殺した過去を持つ。 人知れず、巨悪を葬るた…

隣人

作者:永井するみ|双葉文庫 日常の中に潜む悪意と、さらにそれを暴こうとする悪意をつづった短編集。 表題作の「隣人」は完全犯罪で、夫を殺害したはずが、隣人に察知されていた話。 「伴走者」は不倫相手の妻の職場に派遣社員として潜入する話。 「風の墓…

竜が最後に帰る場所

作者:恒川光太郎|講談社文庫 この作家は、角川ホラー文庫でデビューしたが、ホラー作家ではない。 今の日本では数少ない幻想小説作家だ。 デビュー時の朱川湊人に雰囲気は近いが、作風はもっと幻想的だ。 この作品は短編集で、5作収録されている。 今まで…

許されざる者

作者:司城志朗|幻冬舎文庫 渡辺謙主演映画の小説版。 函館の新政府軍に加わった十兵衛は、五稜郭陥落の際に逃亡した。 「ひと斬り十兵衛」と恐れられた男は、新政府軍の追手を振り切った。 その後、アイヌの女性を妻とし、子供を二人設けたが、妻は病気で…

凍原

作者:桜木紫乃|小学館文庫 釧路の警察に勤務する刑事の松崎比呂。 彼女が、中学生のころ、弟は自宅近くの湿原で、行方不明になった。 湿原の沼のようなところで、沈んだと思われ、遺体は発見されなかった。 それから17年後、弟が行方不明となった湿原で絞…

前園

タクシー運転手に暴行を働き、逮捕。 即日に釈放されたが、ダメなやつだ。 オリンピックで一瞬の輝きの後は、パッとしないまま終わった。 かつては中田ヒデを舎弟扱いで、「イジメカッコ悪い」とかのさばっていた。 その後は落ちぶれて、韓国でプレーしてい…

阪神はだらしない

阪神は広島に連敗し、今シーズンを終了。 終盤失速したとはいえ、勝率5割にも満たない3位のチームに2試合とも完敗。 投げるのも、打つのもダメで、どうしようもなかった。 短期決戦に弱いのに、和田の采配は悪い方ばかりを選択していた。 1戦目の藤浪の先発…

歌舞伎町セブン

作者:誉田哲也|中公文庫 歌舞伎町の自治会の会長が神社の境内で死体となって見つかった。 フリーライターの上岡は、その死に疑問を持ち、独自に調査を始める。 すると、「歌舞伎町セブン」というキーワードに突き当たる。 交番勤務の警官、小川は父が新宿…

人に不快感を与えない

服装や、仕草は取り繕うことができる。 でも、意識していないと、表情は無防備になることがある。 顔の美醜も大事な要素だが、人に向ける表情はそれを超越する。 たまに、無意識に不快感を与えない術を習得している人がいる。 こういう人って性別を超えて、…

ペルーのヘビメタバンド

ノーチラスというバンドのデビュー作「Leaving ALL Behind」を聴いた。 正統派のスピードメタルで、曲もいい。 ペルーは、音楽に関してはあまり聞かない国だが、音質もかなりいい。 ただ、メンバーの写真を見て、あまりにもダサいので驚いた。 ジャケットも…

ピースメーカー

作者:小路幸也|ポプラ文庫 70年代の田舎の中学。伝説の姉を持つ良平は、放送部に入っている。 文化部と体育部の対立に、良平は知恵を使って解決していく。 短編集で、そこそこ面白いのだが、ちょっと甘すぎる。 田舎者がノスタルジーに浸る内容だ。悪くな…

彼女との上手な別れ方

作者:岡本貴也|小学館文庫 チケットのダフ屋をやりながら、享楽的な生き方をしているガジロウ。 子供を避けようと、歩道を渡ると、車にはねられてしまう。 はねた車は壁に激突し、ガジロウは奇跡的にほぼ無傷だった。 はねた車には、ストリッパーの3人と運…

私と過ごした1000人の殺害者たち

作者:金原龍一|宝島社SUGOI文庫 1976年に強盗殺人を犯した筆者は、無期懲役の判決を受ける。 判決を受けたころは、無期懲役は15年から20年で出所できるという風潮だった。 ところが、筆者は31年間服役することになった。 長すぎる刑期に対する嘆きと心情が…

貌孕み

作者:坂東眞砂子|文春文庫 国学者の平田篤胤の下に、幼い頃に天狗にさらわれ、仙境で過ごしてきた嘉津間が現れる。 少年だった嘉津間は、美青年に成長し、篤胤の屋敷に滞在することになる。 そこで、嘉津間が異郷で見た話を篤胤の家族に語る短編集。 「太…

踏んでもいい女

作者:斉木香津|小学館文庫 終戦間際の横浜で、銭湯を営む寅吉は、そろそろ家族を疎開させようと考えていた。 19歳の孫娘の真砂代は、見合い相手に一方的に振られ、ショックを受けていた。 相手は、忘れられない女性がいるという。 東京で空襲が始まり、そ…

誰にも書ける一冊の本

作者:荻原浩|光文社文庫 主人公の「私」は函館で生まれ、大学進学を機に上京する。 広告代理店に勤務し、32歳で独立し、広告代理店を経営するようになった。 40歳の時に、小さな賞を受賞し、作家としてデビューするが、3冊目をなかなか出せないでいる。 父…

金曜のバカ

作者:越谷オサム|角川文庫 5つの短編が収録。 「金曜のバカ」は合気道を修行する女子高生と、ニートのオタクとの対決の話。 「星とミルクティー」は天体観測に赴く暗闇で偶然出会った男女の高校生の話。 「この町」は、夜行バスに乗り、同級生の彼女と東京…

偽りのスラッガー

作者:水原秀策|双葉文庫 文庫本裏書 かつてスター選手だった秋草隼は、膝の故障で引退した。 再手術し、人目を避けて寂れたバッティングセンターに通うものの、四年が経ち、選手としての夢は消えかけている。 そんな秋草に旧知の球団GMから意外な話を持…

塩の街

作者:有川浩|角川文庫 作者のデビュー作。 地球に隕石が落下し、日本は塩害にさらされるようになった。 人は、身体の末端から、塩に侵され、ポキリと折れるように死んでいく。 女子高生の真奈は、塩害で家族を失い、秋葉という青年と暮らしていた。 真奈は…

優しいおとな

作者:桐野夏生|中公文庫 福祉システムの崩壊した日本。 かつての繁華街シブヤもスラム化していた。 野宿者で、一人で生きている少年のシオン。 彼を気に掛けるNGO代表のモガミ。 シブヤで勢力を伸ばす女性ホームレス集団の「マムズ」 シオンは、一人で生き…

桧山

阪神の桧山は今シーズンで引退が決まっているが、もう使わないほうがいい。 代打の神様とか、もてはやされていたが、中途半端な選手だった。 記録は積み重ねているが、劇的なシーンの記憶が少ない選手だった。 FA宣言をしても、獲得する球団もなく、年俸が上…

この国。

作者:石持浅海|光文社文庫 文庫本裏書 一党独裁の管理国家である「この国」は非戦平和を掲げることで経済成長を遂げた。 死刑執行は娯楽となり、国民は小学校卒業時に将来が決められ、士官学校は公務員養成所と化し、政府が売春宿を管理する。 そんな国の…

みのもんた

記者会見を見たが、何でこいつに罵声を浴びせないの? 報道も甘いな。擁護するような問いかけも全然だめだ。 もっと突っ込めないのか?身内意識があるのか、がっかりさせられた。

硝子の鳥

作者:新堂冬樹|角川文庫 公安の美貌刑事として、身分を偽り、潜入捜査を続ける梓。 新宿署のマル暴の刑事でありながら、ヤクザの饗応を受ける悪徳刑事の佐久間。 新宿を麻薬で牛耳ろうとする朝鮮人ヤクザの李。 ストーリーは、3者の対決がメイン。 李はあ…

作者:吉村昭|文春文庫 作者の初期の短編集。 表題作の「磔」は、豊臣秀吉の切支丹禁止令による26聖人殉教の話。 上方で捕縛された彼らが、長崎で処刑されるために移送されるまでを描いた短編。 棄教を拒否し、片耳を切られるシーンは痛々しい。 さらに迫害…

嫌な女

作者:桂望実|光文社文庫 子供のころから周りに可愛がられ、成長してからは男を手玉に取る夏子。 従妹の徹子は、夏子を意識しつつも、勉強に励み、弁護士になった。 徹子の最初の案件は、夏子が農家の長男との婚約に関するトラブルだった。 その五年後、夏…