2013-01-01から1年間の記事一覧

完盗オンサイト

作者:玖村まゆみ|講談社文庫 フリークライマーのトオルは、彼女に振られ、傷心のまま海外から帰国する。 浅草で野宿していると、小さな寺の住職に声をかけられ、居候となる。 住職の岩城と、どこかから預けられた子供の斑鳩。 岩城は寺の収入だけでは生計…

謎解きはディナーのあとで

作者:東川篤哉|小学館文庫 文庫本裏書 国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。 『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。 大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替え、ディナ…

責任をとらない風潮

福島原発の後処理に税金が新たに使われることが決まった。 被害を食い止めるためには、致し方のないことだと思う。 だが、納得いかないのは、震災後から誰も責任を取っていないことだ。 被害を受けた福島の酪農家が自殺したりしているのに、東京電力や政治家…

共震

作者:相場英雄|小学館 震災から2年が経った仙台で、復興支援に携わる県職員が殺害される。 彼は、東北広域に足を延ばしており、被災者の信頼も厚かった。 被害者と親交のあった新聞記者の宮沢は、警察の取材に臨む。 震災前から因縁のあるキャリア官僚の田…

たわごと?

145 スパイダージャーマン(家) 2013/08/29(木) 13:32:45.74 id:uwQ4oKZO0 【悲報】米国が、国民にサリンを用いた政治家を空爆で粛清へ......石原閣下ガクブルw石原裕次郎の手術の執刀医がオウムの林郁夫。 これが縁で石原慎は、オウム真理教への資金提供をは…

月と詐欺師(上・下)

作者:赤井三尋|講談社文庫 1930年代の大阪。 灘尾財閥は三井や三菱などの財閥に肩を並べようとしていた。 当主の儀一郎は独裁者で、社員は奉公人として扱い、欲しいものはなんでも手に入れてきた。 堂島で米問屋を営む橘屋を破産に追い込み、経営者を自殺…

雑司ヶ谷R.I.P

作者:樋口毅宏|新潮文庫 「さらば雑司ヶ谷」の続編。 日本に大きな影響を与える宗教団体の教祖の大河内泰が102歳で死亡した。 主人公の孫の太郎は、教団の2代目としてお披露目に臨むことになる。 だが、泰の死体を何者かに盗まれ、太郎は古参幹部を粛正す…

松前の花(上・下)

作者:富樫倫太郎|中公文庫 土方歳三蝦夷血風録の2作目。 北海道に上陸した旧幕府軍は、松前藩を駆逐し、蝦夷政府を設立する。 松前藩の家老の娘の蘭子は、父を殺害した藩士に仇討するため、蝦夷政府に加わる。 松前で和菓子屋を営む藤吉は、幕臣の人見勝太…

高校野球

明日の決勝は前橋育英と延岡学園。 ほとんどの人が予想もしなかった対戦カードだと思う。 夏期休暇中にいくつかの試合をテレビで見た。 ネームバリューのある有力校は、そんなに強くなかった。 大阪桐蔭も横浜も日大三も浦和学院も済美も期待外れだった。 前…

劣化刑事

作者:戸梶圭太|徳間文庫 過去に警察に誤認逮捕され、引きこもりになった赤石。 尿道結石の痛みに耐えかね、病院に向かうが、殺人事件を目撃する。 一見、キャバ嬢のような女性が、変質者に滅多刺しにされていた。。 赤石は冷酷な変質者に恐れをなし、逃げ…

煙草嫌い

自分は喫煙者だが、タバコをやめる友人も増えている。 彼らとは今まで通りの付き合いをしている。 飲みに行っても、自分はタバコを吸うが、やめた友人が嫌がることはない。 最近、嫌煙家が増えている。 職場の飲み会は、禁煙だから参加しない。 有志の飲み会…

大阪

帰省で大阪に1週間滞在。 キタとミナミで飲んだが、明らかに格差が出ていた。 キタは新しい商業施設ができて、拡張している。 ミナミは相変わらずで、放置自転車が増えている。 自分が大阪を離れた10年前も少しずつ、自転車は増えていた。 鰻谷の人たちに…

十三回忌

作者:小島正樹|講談社文庫 昭和48年、静岡の資産家の妻が、自殺と思われる死を遂げる。 1年後の法要の日、妾の長女が、木に串刺しになった死体で見つかる。 3回忌には、妾の次女が、木に括り付けられ、斧で首をかっ飛ばされる。 7回忌には、三女が唇を切り…

ようこそ、わが家へ

作者:池井戸潤|小学館文庫 銀行から取引先に出向した倉田は、電車に割り込んだ男を注意する。 すると、その男は、帰宅する倉田の後をつけ、自宅に嫌がらせが始まる。 花壇が荒らされ、瀕死の猫が投げ込まれる。 妻と大学生の息子、高校生の娘は、自宅を守…

マルガリータ

作者:村木嵐|文春文庫 松本清張を受賞した歴史小説。 天正遣欧少年使節として、ヨーロッパに渡った4人の少年は、帰国して、豊臣秀吉と面会する。 その一人、千々石ミゲルは秀吉から仕官を迫られるが、断り、九州に戻る。 中原ジュリアン、伊東マンショ、原…

白日夢 素行調査官

作者:笹本稜平|光文社文庫 素行調査官のシリーズ2作目。 冒頭、麻薬組織への潜入捜査官の緊迫した様子が描かれる。 彼は卓越した捜査官だったが、上司に嵌められ、退職を余儀なくされる。 さらに、彼はヤクザにも追われ、逃げ場を失い、自殺する。 警務部…

アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子?

作者:深町秋生|幻冬舎文庫 文庫本裏書 自殺とされた夫の死の真相に迫る警視庁上野署の八神。 警察による証拠改ざんの疑いが増す中、執念で掴んだ手がかりは、新宿署の五條の存在だった。 権威と暴力で闇社会を支配する五條に、八神は命を賭した闘いを仕掛…

人生教習所(上・下)

作者:垣根涼介|中公文庫 新聞に「人生再生セミナー 小笠原塾」という広告が掲載される。 このセミナーを受講し、最終合格をすれば、就職のあっせんをしてくれるという。 東京大学に入学したものの、目的が見いだせず、休学中の浅川太郎。 ヤクザの若頭だっ…

月と蟹

作者:道尾秀介|文春文庫 直木賞受賞作。 父の死後、母とともに海辺の町で、祖父と同居を始めた慎一。 転校生ということで、いじめにあうが、春也と親友になる。 ヤドカリを見つけ、二人は秘密めいた儀式を考え出す。 互いに望みを伝え合うが、慎一の望みが…

阪神の連敗を見ていると

週末から、阪神の試合をテレビで見ているが、悪いところばかり目立つ。 連敗しているということもあるのだろうが、まず打線が悪い。 6番バッターがなかなか定まらない。今となっては、ブラゼルを解雇したことが悔やまれる。 今成、坂、新井(弟)、俊介、大…

明日の風

作者:梁石日|光文社文庫 文庫本裏書 第二次世界大戦中の大阪、在日コリアン二世の少年は、暴力の権化のような父、働き者の母、やさしく内向的な姉、小さな妹に囲まれて育つ。 疎開先の村でも、空襲で焼け跡となった街でも、復興していく繁華街でも、その激…

過去を盗んだ男

作者:翔田寛|幻冬舎文庫 松平定信の改革が頓挫した江戸には、無宿人を排除するためにできた人工島があった。 浪人の倫太郎は、仲間を募り、身分を偽り、その島に潜入する。 狙いは定信が改革で風俗業から没収した埋蔵金。 牢役人を買収し、井戸掘りを志願…

民王

作者:池井戸潤|文春文庫 総理大臣とその息子の人格が入れ替わる話。 ちょっと前の作品なので、総理のモデルは麻生太郎。 息子は国会答弁で、とんでもない漢字の読み間違いをする。 親父は息子の就職活動の面接で、面接官に啖呵を切る。 人格の入れ替わりは…

家族

作者:小杉健一|双葉文庫 ホームレスが民家に忍び込み、認知症の老人を殺害した。 ホームレスが逮捕されるまでは、老人の長男が疑われていた。 テレビカメラの前で悪態をつく姿は、疑われるのに十分だった。この作品は、この事件を裁く、裁判員制度で選ばれ…

リターン

作者:五十嵐貴久|幻冬舎 ホラーの傑作「リカ」の続編。 10年前、本間というサラリーマンが、リカという女性に付きまとわれ、失踪した。 本間はリカに生きたまま目をえぐられ、鼻、耳、舌を切断されていた。 その惨状を目撃した刑事は発狂し、「リカ」は終…

忌談

作者:福澤徹三|角川ホラー文庫 霊的、あるいはサイコパスな要素が混合したホラー短編集。 東京難民は映画化されるし、最近の長編は充実している。 あえてこの作品を書いたのは、契約でもあったのかな? そこそこ面白いのだけど、この作家にしてはイマイチ…

東西のマナー

東京に出てきて、10年以上になる。 最初は自転車で通勤していたが、坂が多いので、今は電車。 といっても、3駅ほどの移動なので、座りたいとは思わない。 電車に乗る時は、降りる人優先というのは、東西変わらないはずだ。 でも、東京では、降りる人を待たず…

終わらざる夏(上・中・下)

作者:浅田次郎|集英社文庫 1945年、敗色濃厚となった大本営は、終戦工作を密かに行い始めた。 英語に堪能な人物を徴兵し、前線に送り込み、終戦後の和平交渉に当たらせようとした。 東京の出版社で翻訳をしていた片岡は45歳という年齢にも関わらず、赤紙が…

狂犬

作者:矢月秀作|廣済堂文庫 捜査一課の刑事の神条は、妻子を強盗グループに殺害された過去を持つ。 非常な取り調べで、結果を出す神条は「狂犬」と呼ばれ、犯罪者に恐れられていた。 神条の妻子を殺害した永倉は、鷹石と尾賀という凶悪なパートナーと次の計…

猛暑

東京でも先週末から暑くなり、猛暑日の予報が続いている。 日中はオフィスの中で仕事をしているから、日光の暑さを体感することはない。 朝は早くに家を出て、日が暮れてから自宅に戻るので、日差しにさらされることもない。 マンションの自室ではエアコンを…