松前の花(上・下)

作者:富樫倫太郎|中公文庫
土方歳三蝦夷血風録の2作目。
北海道に上陸した旧幕府軍は、松前藩を駆逐し、蝦夷政府を設立する。
松前藩の家老の娘の蘭子は、父を殺害した藩士に仇討するため、蝦夷政府に加わる。
松前で和菓子屋を営む藤吉は、幕臣の人見勝太郎から、パンの製造を依頼される。
蘭子は結核を病み、先がないことを自覚していた。
藤吉は函館に赴き、ロシア領事館でパンの製造法を学ぶ。
藤吉は蘭子が姫と呼ばれていたころから密かに憧れていた。
土方歳三は、蘭子の病を見抜き、薬を渡し、上陸した新政府軍を迎撃する。
蘭子は死に場所を求め、松前城に籠城する。


前作「函館売ります」に比べると、謀略の部分は少なく、ストレートな内容。
蘭子と藤吉が主人公で、土方歳三は脇役だが、ストーリーは面白い。


松前の花(上) - 土方歳三 蝦夷血風録 (中公文庫)

松前の花(上) - 土方歳三 蝦夷血風録 (中公文庫)