マルガリータ

作者:村木嵐|文春文庫
松本清張を受賞した歴史小説
天正遣欧少年使節として、ヨーロッパに渡った4人の少年は、帰国して、豊臣秀吉と面会する。
その一人、千々石ミゲルは秀吉から仕官を迫られるが、断り、九州に戻る。
中原ジュリアン、伊東マンショ原マルチノとともに司祭になるべく修行に励むが、ミゲルは体調を崩す。
思うように手足が動かなくなったミゲルは教会を出て、大村家に仕えることになる。
おりしも、切支丹への追放令が出ており、ミゲルは棄教者として利用されることになる。
清左衛門として生きていくミゲルは、珠という女性と所帯を持つが、切支丹から目の敵にされる。
ミゲルは形の上では棄教したが、ジュリアン、マンショ、マルチノを陰で支えていた。

珠というミゲルの妻と、清左衛門となったミゲルの視点から話は描かれる。
棄教者としてさげすまれながらも、3人の仲間をフォローするミゲル。
捕えられたジュリアンを助けよう奉行所にかけこむが、ジュリアンは拒否。
穴吊りという極刑に処せられる。
悲しいストーリーだが、一気読みできる面白さだった。


マルガリータ (文春文庫)

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