彼女との上手な別れ方

作者:岡本貴也|小学館文庫
チケットのダフ屋をやりながら、享楽的な生き方をしているガジロウ。
子供を避けようと、歩道を渡ると、車にはねられてしまう。
はねた車は壁に激突し、ガジロウは奇跡的にほぼ無傷だった。
はねた車には、ストリッパーの3人と運転手が乗っており、4人とも死亡した。
病院を退院したガジロウは4人の幽霊に付きまとわれるようになる。
ストリッパーのユウコ、ユカ、ルイに、老人の運転手のジョニー。
4人のやり残した望みをかなえるため、ガジロウは奔走することになる。
ただし、4人の遺した金を受け取ることを引き換えに。
北海道、甲子園と未練を残した場所に行き、彼女たちを成仏させる。
最後に残ったユウコには子供がいて、未練がいっぱいあった。
ガジロウはいつしかユウコに惹かれ始める。



クズのような存在のガジロウが、徐々に変わっていくところがいい。
ファンタジー小説だが、映画化されるとオビ書かれてあるだけあり、ストーリーはよくできている。
お涙頂戴的なシーンも、さらっと済ませるところに作者のセンスを感じた。
面白かったが、ガジロウがストリップをやろうとするところは共感できない。


彼女との上手な別れ方 (小学館文庫)

彼女との上手な別れ方 (小学館文庫)