雨恋

作者:松尾由美新潮文庫
30歳の会社員の沼野渉は彼女に振られ、隣人とのトラブルもあり、新居を探していた。
そんなとき、叔母がアメリカに長期出張することになり、叔母のマンションに住むことになった。
2匹の猫と快適なマンションで、生活をスタートしたが、ある雨の夜、異変が起きる。
若い女性の声が、どこからともなく聞こえる。その女性は24歳で死亡した小田切千波だった。
千波はこのマンションで自殺したことになっていたが、誰かに殺されたという。
渉は千波のかつての同僚や上司、捜査を担当した警察官を訪ね、話を聞く。
謎が明らかになるにつれ、千波の姿が足から見えるようになり、下半身が現れる。
千波現れるのは雨の日だけで、その姿が徐々に現われるにつれ、渉は幽霊の千波に心を惹かれていく。
やがて真相が発覚するが、それは千波との別れの時でもあった。
奇想天外な展開だが、ピュアなラブストーリーで、かつミステリーをしてもよくできている。
面白い。

雨恋 (新潮文庫)

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