クレイジーヘヴン

作者:垣根涼介幻冬舎文庫
東京から流れ、北関東の町の旅行会社に勤め始めた27歳の恭一。
ある日、車上荒らしに会い、現金・免許証・カードを盗まれてしまう。
警察があてにできないと思った恭一は、単独で犯人を捜し出す。
犯人グループの部屋に忍び込み、金を奪い、戻ってきた犯人たちを襲う。
ゴルフクラブで滅多打ちにして、部屋を後にする。その後は何事もなく働いていた。
地元出身の23歳の圭子は、百貨店を辞め、その後は中年ヤクザとつるみ、美人局となっていた。
圭子は新たなカモを見つけ、近づくが、相手は恭一の会社の同僚だった。
美人局に引っかかった同僚に泣きつかれ、恭一はやくざと圭子の元に交渉に出かける。
だが、ささいな弾みで恭一はやくざを殺してしまう。
やくざに犯されたビデオを撮られた弱みがあった圭子は、恭一に死体を隠す提案をする。
死体を処分した二人は同棲を始めるが、何かに怯える日々が続く。
打開策を求め、新たな犯罪に手を染めようとするが。
つかみどころのない恭一の爆発する残虐性と、薬を使った爛れた性生活。
狭い町で閉塞感から、すべてのものに向けて吐きつけられる恭一の呪詛。
スピード感のあるストーリーで、面白かったが、この作家にしては平凡な部類に入る。

クレイジーヘヴン (幻冬舎文庫)

クレイジーヘヴン (幻冬舎文庫)