奇想の江戸挿絵

作者:辻惟雄集英社新書
江戸時代後期の黄表紙や読本に描かれた挿絵に漫画的な吹き出しがあるのは驚かされる。
また、絵のタッチもホワイトトーンを使ったかのような高度な処理が施されている絵もあった。
日常に現れる「異界」の斬新な構図が何点か紹介され、見ていて面白い。
「生首」を使った劇的な効果、「幽霊」「妖怪」を描く豊富な想像力。
雨、嵐、洪水などの自然現象や、爆発や光も驚くほど、今風に描かれている。
白黒写真が多いのは少し残念だが、取り上げている絵とその解説は新鮮で好い。

奇想の江戸挿絵  (集英社新書ヴィジュアル版)

奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版)