2008-01-01から1年間の記事一覧

草祭

作者:恒川光太郎|新潮社 独自の幻想的な世界を紡ぎ出す作家の第4作目。 相変わらず綺麗な表現と不思議な世界が展開する。大人も子供も読んで損はしない。 今作は、美奥という時々不可思議な現象が起きる町で語られる5つの話が収録されている。 「けものは…

日暮里方面を歩く

目覚めがよく、外はよく晴れていたので、水泳は中止し、歩くことにした。 11時前に家を出て、飯田橋の交差点から春日通りを目指した。 背中に日差しを感じながら歩いた。春日通りの歩道は広く、歩きやすかった。 春日通りを白山の手前で左折し、本駒込に向か…

粘膜人間

作者:飴村行|角川ホラー文庫 文庫本裏書き 「弟を殺そう」―身長195?、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。 その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐二は、弟の殺害を計画した。 だが、圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親まで蹂躙され、…

面白い顔

人の顔を見る時に、この人はどういう分類になるのだろうと考える。 有名人に似ていれば、例えるのは簡単だ。 パーツに絞って類似点が見つかれば、面白さは増す。 あるいは漫画のキャラクターで似ていないか? 今日初めて会った人は、はだしのゲンの父親に似…

イヴの夜

作者:小川勝己|光文社文庫 文庫本裏書き 恋人を殺された三沢光司は、被害者にストーカー行為を続けていたとして、容疑者扱いを受けていた。 口下手で対人恐怖症気味の風俗嬢・三枝ひとみは、護身用のスタンガンとナイフをバッグに忍ばせていた。 生きるこ…

結婚式2題

1つめ 167 名称未設定 sage New! 2005/10/16(日) 15:01:07 id:sCOvg+Bl0 知り合いの結婚式に急用でどうしても行けなくなって 身代わりでタイ人を送り込んだ事が有るなあ。 誰か聞かれたらオメデトウゴザイマスと俺の名前を言うようにして有った。 あとから聞…

特攻野郎Aチームのオープニング

何となく懐かしく、テキストとして残しておこうと思う。 ベトナムで鳴らした俺達特攻部隊は、濡れ衣を着せられ当局に逮捕されたが、 刑務所を脱出し、地下にもぐった。 しかし、地下でくすぶっているような俺達じゃあない。 筋さえ通れば金次第でなんでもや…

とっぱくれ

作者:浜田文人|文春文庫 文庫本うらがき 殺人の罪で服役後、極道の世界に飛び込んだ“とっぱくれ”(はねっ返り者)村上義一。 組織内での栄達をひたすら目指すが、幼少から慕ってきた兄貴分の美山と親分・松原のあいだで、徐々に微妙な立場に立たされてゆく…

桜さがし

作者:柴田よしき|集英社文庫 文庫本うらがき 中学時代から十年来の仲間である歌義、陽介、綾、まり恵の4人は、今は作家として京都郊外の山奥に独居する恩師・浅間寺のログハウスに招待され、その途中の山道で一組の男女と出会う。 幸せそうに見えた二人だ…

破弾-刑事鳴沢了

作者:堂場瞬一|中公文庫 文庫本うらがき 故郷を捨てた男は、それでも刑事にしかなれなかった。 警視庁多摩署で現場に戻った了は、刑事部屋で倦厭され孤立する美女刑事とコンビを組む。 命じられたホームレス傷害事件に腐る二人だが、被害者の周囲にはなぜ…

だらだらとサボる

一つの案件が片付き、それなりに評価がでて、さあ、またがんばろう。 って、そんな仕事のサイクルは精神衛生上、非常にいいことだ。 でも、今回のそれは、WEBを見てサボりながらだらだら作ったものだった。 こんな制作で評価をしてもらうのは楽なんだけど、…

隠蔽捜査

作者:今野敏|新潮文庫 あらすじ 主人公の竜崎は警察官僚のキャリアで、総務課長を務める40代半ば。 仕事に打ち込み、家庭を顧みず、周囲には原理原則を振りかざしている。 周りの評価は「変人」だが、仕事は完璧にこなし、上司との関係もそつがなかった。 …

セブン・イレブンのフェア

今、セブン・イレブンで700円以上の買い物をすると、くじを引くことができる。 で、2ちゃんねる系のブログで見かけたのが、当たりくじの見分け方。 ●外れくじはくじの角の手触りがざらざらしていて、当たりの方はつるつる。● 仕事の帰りに、酒を買い、2枚引…

飲んでしまった

平日は外で飲まないことにしているのだが、今日は飲んでしまった。 家に戻ったのは、あれ、もう1時だ。明日も仕事なので、ここで終わり。

池袋まで歩く

昨日のことだが、池袋まで歩いてみた。 自宅を出て、飯田橋を超え、目白通りを歩いた。高速の下を歩くのも味気ない。 茗荷谷の近くで、春日通りを目指したが、東京には珍しく、森があった。 名前のとおり、ここは谷底なのだろう。長い階段をのぼり、春日通り…

虹色にランドスケープ

作者:熊谷達也|文春文庫 バイク乗りの男女7人を描いた連作集。 「旅の半ばで」は百貨店の閉店に伴い、リストラにあった男の話。 ローンの残った自宅と家族を守るため、ツーリング先の北海道で自殺を図る。 「冴えない肖像」はプロのライダーを目指す青年…

履き忘れたもう片方の靴

作者:大石圭|河出文庫 あらすじ ヒカルは男にも女にも身体を売る男娼だった。 六本木のクラブを根城にし、誰の誘いも断らなかった。 老齢に達した金髪のローラにも、黒人の男性二人と乱交をする。 そんなヒカルの前に、ヒムロという男が現れ、自分の奴隷に…

平等ゲーム

作者:桂望実|幻冬舎 あらすじ 瀬戸内海に浮かぶ「鷹の島」は国内と異なるシステムで運営されている。 「全員平等」をモットーに仕事は4年ごとに抽選で決まり、収入は平等に分配される。 島内では現金が必要なく、将来に対する不安もなく、日本の中の楽園だ…

梅田のひき逃げ事件

大阪で3キロも被害者を車で引きずり、アスファルトで「もみじおろし」にした事件。 昨日、そのひき逃げ犯が逮捕された。無免許で元建設会社社員の22歳。 その後、ホストとなり、ミナミのラーメン屋を出たところで警官に取り囲まれた。 「飲酒、無免許で捕ま…

女王蘭

作者:新堂冬樹|祥伝社 あらすじ キャバクラを描いた「黒い太陽」の続編で、立花と藤堂が再び登場する。 立花は藤堂に宣戦布告し、「フェニックス」を歌舞伎町のドル箱店にのしあげる。 この店に主人公の優姫がキャストとして入店する。優姫には目的があっ…

私という運命について

作者:白石一文|角川文庫 あらすじ 大手電機メーカーに勤務する冬木亜紀は28歳で、恋人からプロポーズされる。 だが、結婚する相手ではないと思い、断ってしまう。 その後、恋人の康は、後輩の女性と結婚し、アメリカ転勤となる。 康の母親から「あなたは息…

東京を散歩

朝からどんよりとした曇り空。特に予定もない。 12時過ぎに家を出て、歩く。靖国神社を通り抜け、半蔵門に向かう。 大妻女子大で何かをやっているのか、学生風の人が多かった。 麹町から平河町を歩くと人は極端に少なくなった。 そのまま赤坂に向かう。ここ…

天皇賞

今年の3歳馬は弱いと言われている。クラッシックはすべて荒れた。 実力馬が連勝することはなかったし、ダービーのタイムも平凡だった。 ディープスカイに目をつけたのはアーリントンカップだった。 1勝馬で、人気も低かったが、2着が多いので、馬連で流し…

神保町でお祭り

神保町では何とかフェスティバルで、路上に露店が並んでいた。 地元の人間からすると、こんなイベントは不要だ。 本の街で食事をふるまう必要なんてないだろう。 日常の中で、普段の何倍もの人がいるとイライラする。 明日も続くだろうから、近寄らないよう…

あわせ鏡に飛び込んで

作者:井上夢人|講談社文庫 90年代前半に発表された短編を収録したサスペンス作品。 「あなたをはなさない」は瞬間接着剤を使ってひっついてくる女性の恐怖。 「ノックを待ちながら」は借金を逃れるために偽装殺人を行う話。 「サンセット通りの天使」は盗…

眼の大きさの違う人

「眼の大きさの違う人は悲惨な死に方をする」 そんな話を聞いたのはもう20年以上前になると思う。 どこで誰から聞いたかは忘れてしまったが、これは何となく印象に残っていた。 その後、悲惨な事件の被害者の写真を見て、「ああ、そうなのか」と感じたことが…

怪物が覗く窓

作者:吉村達也|集英社文庫 あらすじ 東大出身のエリートを父に持つ良太は、高校を中退し、家に引きこもるようになる。 引きこもりを始めて3年後、向かいの家に若い女性が引っ越してきた。 彼女に声をかけようと、3年ぶりに家を出て、ストーカー行為を始め…

ありふれた魔法

作者:盛田隆二|光文社文庫 あらすじ 城南銀行の五反田支店で次長を務める44歳の智之は、部下の茜から相談事を受ける。 茜の担当する顧客からクレームを受け、箱根まで同行してほしいと頼まれた。 箱根まで謝罪に訪れ、東京に帰る車中で、智之は茜に恋心を…

禍記(マガツフミ)

作者:田中啓文|角川ホラー文庫 あらすじ 幻の古史古伝「禍記」の存在を聞かされた編集者の恭子は興味を示す。 だが、そのことを教えてくれた老作家は失踪し、周りは恭子を敬遠するようになる。 恭子の存在は幕間に語られ、本編では5つの話が展開する。 「…

誰よりも強く抱きしめて

作者:新堂冬樹|光文社文庫 あらすじ 水島月菜は児童専門の書店を経営し、夫は童話作家で結婚して8年。 だが、夫の良城は結婚1年後に強迫神経症を患い、セックスレスだった。 苦しむ夫を支える月菜の前に、克麻という美青年が現れる。 克麻はゲイだと告白す…