とっぱくれ

作者:浜田文人|文春文庫

  • 文庫本うらがき

殺人の罪で服役後、極道の世界に飛び込んだ“とっぱくれ”(はねっ返り者)村上義一。
組織内での栄達をひたすら目指すが、幼少から慕ってきた兄貴分の美山と親分・松原のあいだで、徐々に微妙な立場に立たされてゆく。
高度成長期の神戸を舞台に、まっすぐに生きようとした男の姿を鮮烈に描く。
こんな極道小説を待っていた!

  • 感想

何だかもどかしい小説だった。人物描写が下手なのが致命的だった。
登場人物はやくざがほとんどなのだが、誰一人として顔や特徴がが浮かんでこない。
また、抗争も中途半端で、主人公が危機に陥ることもなく、スリルもない。
若い義一が、組を結成し、若者を集め、シマの切り取りをするところくらいしか読み応えはない。
250ページくらいの分量でよかったと思うくらいの残念な小説。
続編があっても読みたいとは思わない。

とっぱくれ (文春文庫)

とっぱくれ (文春文庫)